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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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 (週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  no.0647_2019/08/10 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
      n.1680〜n.1684 を発行しました。

 ・月曜日〜木曜日は『私の哲学の発展』 を
 ・金曜日は 『アメリカン・エッセイ集』+α をお届けしています。
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(1) 『私の哲学の発展』第6章 「数学における論理的手法」 n,3
      【「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」n.1680 (2019年8月5日)】

 私がペアノから引き出した悟り(enlightenment 啓発/開明)は、主として
二つの全く技術的な進歩から発したものであるが,私がそうであったように,
算術を理解しようとして長年を過ごして後でなければ、その(技術的進歩の)
重要性を認めること(appreciate 真価を認めること)は非常に困難である。
この二つの進歩は、ペアノよりも前に既に G. フレーゲによって果されていた
が、ペアノが当時そのことを知っていたかどうかは疑わしいし、私は少し後ま
でその事実を知らなかった。難しい仕事であるが、私、それらの進歩が何であ
ったか、また、なぜそれらは重要であったかについて、最善をつくして説明し
なければならない。まずそれら(の進歩)が何であったか、ということから始
めよう。

 最初の進歩は、「ソクラテスは死ぬものである(死ぬ運命である/不死では
ない)」という形の命題を「全てのギリシャ人は死ぬものである」(注:全称
命題)という形の命題から分離することで(その進歩は)成り立っていた。ア
リストテレスにおいては、また三段論法(注:syllogism 大前提→小前提→結
論)に関する公認の学説(それをカントは永久に改善の余地はないと考えた)
においては、この二つの命題形式は区別できないものとして、あるいは,とも
かくも(at any rate いずれにせよ),重要な差異がないものとしてとり扱わ
れている。しかし、事実(実際)、論理学も数学も、この(命題の)二つの形
式は全く異なったものであると理解されるまでは(理解されない限り)、遠く
まで進めない(進歩できない)のである。「ソクラテスは死ぬものである」は
一つの述語(注:死ぬものである)を、名付けられた(固有名をもつ)一つの
主語(ソクラテス)に帰属させる。(他方)「全てのギリシャ人は死ぬものであ
る」は、二つの述語すなわち「ギリシャ人」と「死ぬもの」との関係を言いあ
らわしている。(つまり)「全てのギリシャ人は死ぬものである」を、完全な
形で言いあらわすと、「x のあらゆる可能な値について、もし x がギリシャ
人であるならば、x 死ぬものである」となる(注:従って「ギリシア人」は主
語ではない!)。ここには、主語-述語命題ではなく、二つの命題関数(函数)
の結合があるのであり、これら命題関数の各々は、変項 x に一つの値が与え
られると(assigned to 指定されると/割り当てられると)一つの主語-述語命
題となるのである。(即ち)「全てのギリシャ人は死ぬものである」という陳
述(文)は、特にギリシャ人(全体)について何ごとかを言っているのでなく、
宇宙の全てのものについての一つの陳述なのである。(注:x は宇宙全体を対
象にしている。)「もし x がギリシャ人であるならば, x は死ぬものである」
という陳述は、x がギリシャ人でない場合も、x がギリシャ人である場合と全
く同様に、真である。実際、ギリシャ人というものがまったく存在しなくとも
真である。たとえば、リリパット国人(Lilliputians)は存在しないが、「全
てのリリパット国人は死ぬものである」という命題は真である(注:偽である
ことを証明するためには、リリパット人で死んだ例を1つでよいので、例を示
さなければならない)。「全てのギリシャ人は死ぬものである」という陳述
(文)は、「ソクラテスは死ぬものである」という陳述(文)とは異なり、い
かなるものにも固有名を与えておらず(名付けておらず)、単に、二つの述語
の結合を言いあらわしている(表現している)だけである。この命題は、枚挙
(enumeration 単純枚挙/列挙)によっては証明できない。なぜなら(to repeat
 繰り返しになるが)問題になっている x は、ギリシャ人であるところの x 
に限定されず、広く全宇宙のものを指しているからである。しかし、それは
(単純)枚挙によって証明されないにせよ、やはり知られうるものである。私
は翼がある馬が存在するかどうかを知らず、まったくそんなものに出会ったこ
とはないが、それにもかかわらず、私は全ての翼のある馬が馬であることを知
ることができる。要するに(in short)、「全ての」という語を含むあらゆる
陳述は、命題関数を含むものであるが、それらの命題関数の任意の(何らかの)
個別的な値を含むものではないのである。
 
Chapter 6: Logical Technique in Mathematics, n.3
The enlightenment that I derived from Peano came mainly from two
 purely technical advances of which it is very difficult to appreciate
 the importance unless one has (as I had) spent years in trying to
understand arithmetic. Both these advances had been made at an earlier
date by Frege, but I doubt whether Peano knew this, and I did not know
 it until somewhat later. Although it is difficult, I must do my best
 to explain what these advances were and why they were important. 
I will begin with what they were. 

The first advance consisted in separating propositions of the form 
'Socrates is mortal' from propositions of the form 'All Greeks are 
mortal'. In Aristotle and in the accepted doctrine of the syllogism 
(which Kant thought forever incapable of improvement), these two forms
 of proposition are treated as indistinguishable or, at any rate, as
 not differing in any important way. But, in fact, neither logic nor 
arithmetic can get far until the two forms have been seen to be 
completely different. 'Socrates is mortal' attributes a predicate to a
 subject which is named. 'All Greeks are mortal' expresses a relation 
of two predicates - viz. 'Greek' and 'mortal'. The full statement of 
'All Greeks are mortal' is 'For all possible values of x, if x is 
Greek, x is mortal'. We have here, instead of a subject-predicate 
proposition, a connection of two propositional functions, each of 
which becomes a subject-predicate proposition when a value is 
assigned to the variable x. The statement, 'All Greeks are mortal', 
says nothing about Greeks in particular, but is a statement about 
everything in the universe. The statement ‘if x is Greek, x is mortal'
 is just as true when x is not Greek as when x is Greek. Indeed, it
 is true if there are no Greeks at all. “All Lilliputians are mortal'
 is true, although there are no Lilliputians. The statement, ‘All 
Greeks are mortal', unlike the statement, ‘Socrates is mortal', names
 no one and expresses only and solely a connection of predicates. 
It cannot be proved by enumeration, since (to repeat) the x in 
question is not confined to the x's that are Greeks, but extends over
 the whole universe. But, although it cannot be proved by enumeration,
 it can nevertheless be known. I do not know whether there are any 
winged horses, and certainly I have never come across one, but 
nevertheless I can know that all winged horses are horses. In short,
 every statement containing the word all involves propositional 
functions, but does not involve any particular value of these 
functions.
 Source: My Philosophical Development, chap. 6:1959.
 More info.:https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_06-030.HTM


(2) 「現実からの逃避」(『アメリカン・エッセイ』から)

   https://russell-j.com/FLIGHT-R.HTM

・・・にもかかわらず、読者にはいろいろなタイプがいる。(たとえば)知識
を獲得するために本を読む人達がいる。そうするのは、通常若い人達である。
自分が抱いている偏見を(正しいと)確信するために本を読む人達がいる。大人
(成熟した人間)である'と世間では言われる人達である。しかし本を読む人の
ほとんどは、知識や自分の意見の支持を求めて読書するのではなく、現実の世
界から想像の世界への逃避を求めている。
 このような逃避は、さまざまな形態をとる。最も粗野な種類の逃避は、多数
の中編小説や映画で供給される。それらのなかで、無名の若い男あるいは女が
著しい成功をおさめたり、金持ちとの結婚をしたりする。これよりも少しレベ
ルの高い逃避は、歴史や過去の栄光の想像のなかへの逃避である。それよりも
さらに高い段階の逃避は、天文学のような分野で実現される。・・・。

 Nevertheless they differ among themselves in all sorts of ways. There
are those who read in order to acquire information; they are generally
 very young. There are those who read in order to acquire confirmation
 of their prejudices; these people are what is called mature. But the
 great bulk of readers are seeking neither knowledge nor support for 
their own opinions, but an escape from reality into the world of 
imagination.

 探偵小説、詩及び天文学はすべて、いわゆる「現実」からの逃避の異なった
形態にほかならない。精神分析家は、現実逃避の欲望は非常に悪いものだと言
うが、私には、それは誇張であり、ある種の重要な区別がなされていないよう
に思われる。現実から逃避は、それによって妄想を生み出したり、自分の仕事
をなまけたりするような場合には、悪いものとなる。人は、自分がフランス銀
行の頭取にでもなったと思うことによって心の安らぎを覚えるくらい、お金に
困り、債権者から責め立てられるかもしれない。この種の現実逃避は嘆かわし
い。若い女性なら、コフェチュア王(と乞食の娘)のようなロマンチックな話
に夢中になって、仕事を怠け、ついには職を失うことになるかもしれない。こ
れもまた嘆かわしい。しかしこれとは異なり、まったく望ましい形の現実逃避
がある。モーツァルトは、想像の世界に逃げ込むことによって、借金取りと借
金を忘れるために、よく作曲した。もしもモーツァルトが、著名な精神分析家
たちの助言に従っていたならば、作曲をするかわりに、収入と支出からなる貸
借対照表を注意深く作成し、収支のバランスをとることによって、節約の工夫
をする仕事にとりかかっただろう。モーツァルトがそうしたならば彼自身は収
入を失ない、我々は彼の音楽を失なったであろう。モーツァルトの例のように
、現実からの逃避がそれとして自覚された想像の世界のなかへのものであり、
現実を耐えぬくための手段として活用されるならば意義あるものとなる。・・
・。

Detective stories, poetry, and astronomy, all represent different 
forms of the escape from what is called 'reality'. We are told by
 psychoanalysis that the desire to escape from reality is a very bad

 thing, but to my mind they exaggerate and fail to make some necessary
 distinctions. The desire to escape from reality becomes a bad thing
 when it produces delusions or causes a man to neglect his business. 
A man may become so poor and be so harassed by his creditors that he 
finds relief in believing himself to be president of the Bank of 
France. This form of escape from reality is to be deplored. A young
 woman may become so absorbed in romantic tales of the King Cophetua
 type that she neglects her work and finally loses her job. This also
 is to be deplored. But there are other forms of escape from reality
 which are wholly desirable. Mozart used to compose music in order to
 forget his duns and his debts by escaping into a world of phantasy. 
If he had followed the advice of eminent psychoanalysts, he would 
instead have drawn up a careful balance sheet of receipts and
 expenditures and set to work to devise economies by which the two 
could be made to balance. If he had done this, he would have lost his
 income, and we should have lost his music. Escape from reality, as
 this instance shows, is not undesirable when it is into a world of 
imagination recognised as such and used as a means of making reality 
itself more tolerable.
 Source:"Flight from Reality" [From: Mortals and Others: Bertrand 
Russell's American Essays, 1931-1935, v.1 (1975)]
 More info.: https://russell-j.com/FLIGHT-R.HTM


■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
      n.1636〜1640 を発行しました
  以下,1つだけ再録します
       n.1640/3650(2019年8月9日 金曜日) 
    R英語_類義語シリーズ i01 

★ idle / lazy

   https://russell-j.com/beginner/r_ruigigo-i01.htm

 最所フミ(編著)『英語類義語活用辞典』(pp.200-201)

【"idle":人間でも物でも稼働していない状態のことで,本人の意志に関係な
くそうなっている場合】
【"lazy":自分の意志で怠けること】

(1-1) In Detroit, 29,000 workers are idle.
[デトロイトでは29,000人の労働者が職を失っている。]

(1-2) The firm is being managed poorly: too much funds are lying idle.
[あの会社はマネージがなっていない。遊んでいる資金が多すぎる。]

(2-1) I am too lazy this morning to do anything.
[今朝は何をするにも面倒くさい。]

(2-2) He is lazy.
[彼はなまけもの。]


A.ラッセルの著作における用例
 
<用例1-1>
I have a thousand things to do, yet I sit here idle.
[やらなければならない事が非常にたくさんありますが,いまだ何もしないでこ
こに坐っています。]
 出典:ラッセル『自伝』第2巻第2章「ロシア」
     https://russell-j.com/beginner/AB22-160.HTM

<用例1-2>
Provided a man does not have to work so hard as to impair his vigour,
 he is likely to find far more zest in his free time than an idle man
 could possibly find.
[気力を損なうほど激しい仕事をしなくてよいのであれば、(仕事を持ってい
る)人は、何もしない(遊んでいる)人間にはとても望めそうもないような強
い熱意を自由時間に感じることができそうである。]
 出典:ラッセル『幸福論』第2部第5章「仕事」
     https://russell-j.com/beginner/HA25-020.HTM

<用例2>
Dreams are only to be condemned when they are a lazy substitute for an
 effort to change reality.
[夢が非難に値するのは,現実を変えようとする努力の怠惰な代用品となってい
る場合のみである。]
 出典:ラッセル『教育論』第二部_性格の教育_第5章「遊びと空想」
     https://russell-j.com/beginner/OE05-060.HTM


B.他の参考例

<参考例1-1>
The workers have been idle for three days because a machine broke 
down.
[機械が壊れたので、労働者たちは3日間仕事をしていない。]
 出典『VITAL3000英単語・熟語』, p.267

<参考例1-2>
I spent an idle afternoon talking to one of my classmates.
[私はクラスメートの一人と話をして、何もしない午後を過ごした。]
 出典:『新版完全征服データベース5500 合格 英単語・熟語』p.39

<参考例2-1>
The captain of the club often complains that the new members are lazy.
[クラブの部長は新人部員が怠惰であるとたびたびこぼす。]
 出典:『VITAL3000英単語・熟語』, p.143

<参考例2-2>
He was not a bad boy; he was only lazy.
[彼は悪い少年ではなかった。怠惰なだけだった。]
 出典:『英単語ターゲット1900』 p.119


★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1380〜1384

1)n.1380:R『権力−その歴史と心理』第7章 革命的な権力 N.8
         https://russell-j.com/wp/?p=4796

2)n.1381: R『権力−その歴史と心理』第7章 革命的な権力 N.9
      https://russell-j.com/wp/?p=4799
 
3)n.1382: R『権力−その歴史と心理』第7章 革命的な権力 N.10
          https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_06-050.HTM

4)n.1383: R『権力−その歴史と心理』第7章 革命的な権力 N.11
       https://russell-j.com/wp/?p=4806

5)n.1384: R『権力−その歴史と心理』第7章 革命的な権力 N.12
       https://russell-j.com/wp/?p=4809
 

★「ラッセルの言葉_画像版」

 日本語 version : n.1007j-1013j を投稿
 英 語 version : n.1007e-1013e を投稿

  一つだけ再録します 1010号 
      https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1010.html

『バートランド・ラッセル−反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.68で引用
されているラッセルの言葉です(出典:『ラッセル自伝』第2巻第1章)。
(n.16)

  「戦争を阻止しうる情熱」

 情熱のみが情熱を統御できるのであり,逆方向の衝動あるいは欲望のみが,衝
動を抑制しうるのである。伝統的なモラリスト達が説いた形での理性は,良き
生活をつくり出すには余りに消極的であり,また余りにも生気を欠いている。
戦争を阻止しうるのは,理性のみによるものではなく,戦争をもたらす衝動や情
熱に反発する(ところの)積極的な衝動と情熱のある生活によってである。変
える必要があるのは,意識的な思考の生活だけでなく,衝動の生活である。

Only passion can control passion, and only a contrary impulse or 
desire can check impulse. Reason, as it is preached by traditional
 moralists, is too of negative, too little living, to make a good 
life. It is not by reason alone that wars can be prevented, but by a
 positive life of impulses and passions antagonistic to those that 
lead to war. It is the life of impulse that needs to be changed, not
 only the life of conscious thought. 
 Source: Principles of Social Reconstrucition, 1916
 More info.: https://russell-j.com/cool/10T-0101.HTM

<寸言>
 衝動をコントロールすることは重要であるが、それだけでは不十分である。
偏狭な愛国心や憎悪に流されないような、戦争をもたらす衝動や情熱に反抗す
る衝動が湧いてくるような、人間性を養う必要がある。 

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 米国から見れば「日本は貧困者が溢れている」らしい
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 次回は休刊します。 8月11日から8月18日まで日刊版のメルマガを
 夏休み休刊とするためです。
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 米国金融大手のメディア「Bloomberg」 に掲載されたニューヨーク州立大学
教員のスミス氏によるオピニオン記事が日本でも注目されているらしい。記事
のタイトルは「アメリカの貧困を自己責任にするな(Stop Blaming America's
 Poor for Their Poverty)」で、「(米国では)貧困は暴力や薬物のせいだから
自己責任だという議論が多いが、日本人は真面目だけど貧困だらけじゃないか
、だから不真面目で努力しない人間が貧乏になるんだという自己責任論は間違
っている」というのが主旨らしい。
 安倍総理も口に出してはあまり言わないが(否定したりすることもあるが)
、本音ではアメリカの自己責任論と同じ立場。
 スミス氏は日本の貧困問題について、次のように指摘している。

1)真面目な国民性の日本は貧困率が低いと(米国の)保守派は考えているかも
しれないが実際は真逆である、とスミス氏。日本は国民所得の中央値の半分未
満しか稼げない人の割合、つまり相対貧困率が15.7%もあると指摘。この数字
はアメリカ(17.8%)より多少低いものの、カナダ(12.4%)、オーストラリア
(12.1%)、ドイツ(10.4%)、と比較するとかなり高い水準だ。
 → 世界一位も夢じゃない?

2)街を見ると一見清潔だが、貧困で苦しんでいる人が大勢存在していて、全体
の約14%にあたる350万人の子供が貧困状態にある。
 → 日本では臭いものには蓋をせよ、ことを荒立てるな。長いものにはまか
れろの精神ですからね。

3)健康保険制度は優れているが、福祉に関して日本はヨーロッパに大きく遅れ
を取っている
 。→ 安倍政権は「世界一の医療制度を守る!」と連呼するが、それ以外は
ヨーロッパとの比較はあまりしたがらない。

 現時点では貧困層に転落していない人たちにとっては、貧困層のことは知り
たいとは思わないらしい。安倍総理自身は、国会での野党からの質問に対し、
格差は進んでいない、失業率は安倍政権になってこんなに改善されている、
「名目」賃金もあがっている、ずっと経済成長率がプラスだ、ということを何
度も繰り返すだけ。それを信じているのか、国民は(自民党政権は)「他の政
権よりよさそう(だから)」、とNHKの誘導尋問的なアンケートに「YES]をし
続けている。

 次のページに紹介記事がありますので、興味のある方はお読みください。

紹介記事はここ 
 それでは、良い夏休みを! (松下彰良)
 ★松下彰良(訳・編)『ラッセルの言葉366』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

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