アドホック・エッセイ&備忘録 2006年08月15日]
「検索エンジン最適化-バートランド・ラッセルのページがランク落ち!」
Googleの検索エンジンを使い、「バートランド・ラッセル」というキーワードで検索すると、(私が開設・管理運営している)「ラッセル研究者及び愛好家のためのポータル・サイト」は、これまでずっと一番最初にリストアップされていた。しかし、最近になって、2番目にリストアップされるようになってしまった(一番最初に出てくるのは、wikipedia の「バートランド・ラッセルの項目)。wikiについては、記述が不正確なものが多いが、リンクする人が多いと思われ、それが高評価につながったのだろうか。試しに、'カント'、'ヘーゲル'、'マルクス'、'サルトル'を検索して見ると、みんなウィキペディアがトップに来ている。Googleさん、それは安易じゃありませんか!?(因みに、'ウィトゲンシュタイン'で検索すると、wikipediaは2番目になるが、'ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン'では、やはり wikipedia が一番最初に来る。/ただし、以上は、2006年8月12日現在)
もちろん、機械的に(単純に) wikipedia を一番にしているわけではないだろう。そこで、'SEO'(search Engin Optimization:検索エンジン最適化)関係の本を図書館で借りて、対策を考えてみることにした。
公共図書館の本は、最新の本というわけにはいかない場合が多いが、買う気もしないので、某公共図書館で、比較的良さそうということで、借りたのが『検索にガンガン、ヒットするホームページの作り方』(翔泳社)である。いろいろ教えられるところが多く、予想より良い本であった。一般的な記述部分は省略して、私の目にとまった部分だけ、以下ご紹介する。
- 'title'タグは正しく使う('title'タグ内には適切なキーワードを入力)
・これまで、すべてのHTMLの'title'タグ内に、「バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)のページ(分館サイト):ラッセルの論理学」というように、「バートランド・ラッセル」という言葉を入れてきた。「バートランド・ラッセル」は検索語として多くの人が入力しそうなのでよいが、'title'タグの最初の方の言葉が重視されるということで、「ラッセルの論理学(バートランド・ラッセルのページ」とした方がよい場合もあるので、今後は機械的に入力するのではなく、もう少し考えることにしたい。
因みに、「ウィトゲンシュタイン」で検索した場合、トップに出てくるのは、次のページであるが、このぺージのHTMLでは、'title'タグ内に「ウィトゲンシュタイン」、(検索エンジンで重視される)一行目に「ウィトゲンシュタイン Ludwig Wittgenstein(1889-1951)」、その直後にあるウィトゲンシュタインの画像の'alt'属性に「ウィトゲンシュタインの肖像」という言葉が入力されている。そして、本文にウィトゲンシュタインという言葉が繰り返し出てくる。以上はいずれも高評価に結びつくものであり、今後は、ラッセルのホームページでも見習いたい。
https://www.ne.jp/asahi/village/good/wittgens.html
- 'meta'タグ内キーワードは、ほとんどの検索エンジンで高い評価を与えず
・検索エンジンにひっかかりやすくするために、'meta'タグの name 属性 'keywords' 内に過度にキーワードを入力する人がいる。これは検索エンジンを欺く「検索スパム」と呼称されているが、このような検索スパムを排除しようと、Googleでは対策をとっていることはずいぶん前から聞いていた。しかしその具体的な対策として、「'meta'タグ内のキーワードの低評価」の措置をとっているとは気がつかなかった。これまで、'meta'タグ内に、いろいろキーワードを入力してきたが、たくさん入力すればよいということではないということで、今後はもう少し考えたい。(なお、'meta'タグの name 属性 'description' のところは、ウェブページの要約文、説明文として表示用に使われることから、今後は、必要に応じて追記していきたい。)
- 'body'タグ直後にできるだけ、そのページの内容が良くわかる文章を挿入する
・検索エンジンは、'body'タグ直後の最初の200文字程度を重視する。したがって、そのページのできるだけ最初の方に、そのページの内容を要約したような文章をいれるようにすると良い。
- 'a'タグ(アンカー・タグ)は、リンク先とあわせて使う
・他サイトのウェブ・ページへのリンクの場合、リンク付けしている(リンク元の)言葉とリンク先のページのタイトル等の言葉とが一致していると高得点になるそうである。時々、「★こちら★をクリックしてください」などという(★で囲まれた)言葉にリンク付けしている例があるが、検索エンジンからは無視されてしまう。
- 情報構築で適切にフォーカスする
・個々のウェッブ・ページは、1つのテーマを明確に持つように作成する。(そのページの本文に情報がないような、余分なキーワードは付加しない。(「バートランド・ラッセルの論理学」「バートランド・ラッセルと日本」「長谷川如是閑とバートランド・ラッセル」・・・)
・いろいろな情報が満載されているサイトは、サブ・ディレクトリをいくつか作り、それぞれのディレクトリー毎に1つのテーマを明確に持つように作成する。(www.***.**/philosophy / www.***.**/peace-war)
- コピー・ライティングがクリック率を左右する
・検索結果の一番トップにあるページが一番クリックされるとは限らない。ユーザーは、検索結果の見出しと説明文を読んで、閲覧したい記事を選ぶ。「見出し」(='title'タグ内の言葉がそのまま使われる)と「説明文」がつまらないとクリックしてくれない。従って、各ページのtitle内の言葉、最初の見出し、最初の行の文章は、そのページの内容が容易にわかるような的確なものにしておくべきである。
- やってはいけない検索スパム挿入
・(検索エンジンにヒットしやすくするために)白い背景に白い文字(キーワード)をいれてはいけない(つまり、背景色と同じ色の文字を入力してはいけない)。
・(検索エンジンにヒットしやすくするために)画面の端のほうに、目に見えない、小さな文字で、キーワードを多数挿入してはいけない。
- その他の注意事項
・検索エンジンが認識できるのは、テキスト文字だけ。従って、HTML内(特に'body'タグ内)に Java Script 文を挿入しないほうがよい。どうしても入れたい場合は、外部ファイル化すると良い(例:message.js)
・Googleは、ある1つの検索キーワードに対する検索結果として、同一ドメイン内のページを最大2件しか表示しないことに注意。