シャーロック・ホームズ対オカルト怪人 (創作のなかのバートランド・ラッセル)
B.ラッセルは、D.H.ロレンスの Women in Love 他、いくつかの有名な文学作品に登場しますが、このたびめずらしい作品 The Case of the Philosophers's Ring の邦訳 (『シャーロック・ホームズ対オカルト怪人』)を入手しましたのでご紹介します。原著は随分前(=1978年)に出版されたものですが、邦訳は、1996年1月に河出文庫のなかの1冊として出版されました。もしかすると邦訳の方は出版社にも在庫がないかもしれませんが、興味のある方は注文(取り寄せ)してみてください。
私は先日、八重洲ブックセンターで1冊、三省堂本店で1冊見つけ、両方とも購入しました。ホームズが好きで、ケンブリッジ大学の著名な思想家達についてある程度ご存じの方はきっと愉しく読めるものと思います。(そういった周辺知識がないと、あまりおもしろくないかも知れませんが・・・。)(2001.08.09)
* 出典:ジョン.H.ワトソン(著)、ランダル・コリンズ(編)、日暮雅通(訳) 『シャーロック・ホームズ対オカルト怪人-あるいは「哲学者の輪」事件』(河出書房新社、1996年1月刊。 269p. (河出文庫 ワ1-2)
出版社の紹介文:シャーロック・ホームズが巻き込まれた知られざる怪事件! それは、ケンブリッジ大学の哲学者B.ラッセルからの電報で幕を開ける。「イダイナル ズノウ ヌスマレントス スグコラレタシ」。ホームズを待ち受けるのは、ヴィトゲンシュタイン、ケインズ、オカルトの帝王クロウリーなど、希代の知性たち。ホームズ・パロディの怪作、ここに登場!
目 次
●第1部:輝く陽の光のなかに 第1章 ケンブリッジからの要請/第2章 平和主義者と殴り合い/第3章 B.ラッセルの頭脳/第4章 レディの関心事/第5章 不思議の国のアリスの庭/第6章 偉大なるラマヌジャン/第7章 ジョン・メイナード・ケインズの経済学/第8章 意外な協力者/第9章 失踪した哲学者の帰還/第10章 死神の足取り●第2部:夜の闇のなかに 第11章 カバラの物語/第12章 クロウリーの城/第13章 イギリス一邪悪な男/第14章 呪われた者たちの輪/第15章 星幽のスパイ/第16章 雲と影/第17章 邪悪のしるし/第18章 牢獄のラッセル/第19章 魔術師たちの対決/第20章 ザ・ロード・オブ・ザ・リング/エピローグ/訳注・編注/訳者あとがき/参考文献