岩松繁俊(著)『20世紀の良心-バートランド・ラッセルの思想と行動』へのラッセルの序文
* 出典:岩松繁俊(著)『20世紀の良心-バートランド・ラッセルの思想と行動』(理論社,1968年7月刊。342pp. 20cm. 四六判/理論セミナーn.316/箱入)
ラッセルの序文 |
Bertrand Russell's Preface to
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長崎の岩松繁俊助教授とわたしとは、数年来、文通をつづけてきました。かれは、わたしの書いたものやバートランド・ラッセル平和財団の諸活動について、まじめにそして体系的に研究してきたひとです(松下注: a serious and methodical student は「まじめにそして体系的に研究してきた人」というより、a"methodical person"というのは「几帳面な人」という意味なので、 「真摯で几帳面な研究者」という訳がよいと思われます)。ですから、わたしはこの書物の出版をこころからうれしくおもっています。最近のわれわれの活動を日本でもっともっとよく知ってもらうのに、本書はきっと役立つことでしょう。日本もイギリスも、アメリカの従属国ですから、わたしは、本書の出版がすこしでも有意義であることをこころからふかく念願しています。 わたしは、印刷に付されるまえに本書を見る機会をもつことができませんでした。しかし、岩松助教授は、かねがねわたしが書いたいろいろな著作を倦むことなく、そして注意ぶかく探し出し、まとめてくれています。その勤勉さと注意ぶかさとが本書にもじゅうぶん反映されているものとわたしは確信してうたがいません。 バートランド・ラッセル(日付記入なし) |
Although I did not have the opportunity to see this book before it went to press, I am confident that Professor Iwamatsu's diligence and care in searching out and compiling my various writings is reflected in it. Bertrand Russell |
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