ラッセル=シュヴァイツァー_往復書簡 n.33 (1964.4.15)
* 出典:『シュワイツァー研究』第11号(シュワイツァー日本友の会、1982年9月)pp.★ 往復書簡・索引
一九六四年四月十五日
バートランド・ラッセル
ラッセルの言葉366 |
- (ラッセル)財団は近い将来二つの国際事務所を開設するつもりで、一つは北アメリカに、もう一つは中近東になる予定です。
- (ラッセル)財団は一連の記録を、第一項で特定した地域に関して、大西洋平和財団の小冊子の形で用意しました。これらの記録は過去半年間に行われ、進められた調査の結果です。刊行は夏前に始まるでしょう。
- (ラッセル)財団は、大西洋平和財団の小冊子の第三項に指示された仕事をまだ取り上げていませんでした。これはのちほど行われるでしょう。
これらのアピールの幾つかは、大勢の人々を対象にし、他のものは個人に関係しています。関係の国々は、共産主義国あり、資本主義国あり、中立国ありです。具体的な成果は十三の国々で得られましたが、それには囚人の釈放、死刑判決の減刑、そして囚人たちやグループが受けた諸制約の改善がふくまれています。これらのアピールを送付した国々の、或は関係した個人たちの情報を公開する用意がまだ私たちにはできていませんが、これはこの仕事が慎重なものであり、効果的であるためにはつねに慎重であることが必要だからです。
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財団は、いくつかの問題で仲裁をひきうけました。これにはアラブ・イスラエル紛争、中国・インドの国境紛争、イェーメンの問題、ルアンダやブルンヂにおける衝突、キューバとアメリカ合衆国、キプロス、ヴエトナムその他の紛争地域が含まれています。問題となっている紛争について国家元首や責任ある役人に対する提案には、関係諸国の大使や大使館指名の役人たちとの調査や相談が先立って行われています。
財団はさまざまな問題で他の諸機関とも協力してきました。たとえば、ヴエトナム戦争については、学生平和連合、スタンフォード大学平和会議、ハーヴァード大学の学生団体、その他二二五のアメリカの大学、三五のアメリカの新聞社、通信社、サンフランシスコ、ロスアンジェルスおよびニューヨークの平和研究財団の統制下にあるラジオ網とFM放送に対して資料を供しました。ヴエトナム関係の資料は二〇以上の国で利用されましたが、この規模の仕事はギリシャにおける政治犯のためにも行われました。以上は大きな公共の問題に関する財団の活動の二つの実例です。
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私は今月二十八日にマンチェスターで重要な会合を計画していますが、その席で私は「冷戦」の現状について私の見解を発表するつもりです。これに関連してあなたの興味をひいてくれそうな文献をいくつか同封しました。今までの私たちの仕事の成果と計画について御意見を聞かせて頂ければ幸いです。あなたの御協力と御忠告をお待ちします。
敬 具 バートランド・ラッセル
注:この個人的体裁の報告は、一九六三年九月十五日附の手紙〔第三○、本書五七ページ〕の約束どおり、平和財団の発起人すべてに送られた。たぶん財団の職員によって用意されたものであろう。