碧海純一(著)『バートランド・ラッセル』第2版へのあとがき
* 出典:碧海純一(著)『ラッセル』第2版(勁草書房,1961年7月刊. ix+223+11 pp. 思想学説全書 n.9/箱入) * 碧海純一氏は第2版あとがき執筆当時(1968年)、東大法学部教授第2版へのあとがき
本書の初版が出てから約7年の歳月が経ち、その間、流動する国際情勢の中で、実践的平和運動家としてのラッセルの姿は全世界の、そして特に日本の、大衆の前にますます大きくクローズアップされてきた。この5月で実に96歳の高齢に達するラッセルの活力と人類の幸福のための献身には、誰しも心からの賛嘆を禁じえないであろう。
この際、この7年間のラッセルの実践的活動に関する叙述をできれば加えたいと思いつつ、時間の関係で今回は割愛せざるをえなかった。この第2版では、初版の誤植その他を訂正するとともに、巻末の参考文献表に新しいものをつけ加えておいた。 1968年4月 碧海純一