バートランド・ラッセル「幸福の源泉」
* 原著:The Conquest of Happiness, 1930, chap.10* 出典:『ラッセル思想辞典』所収
ラッセルの言葉366 |
幸福には、具体的なものと空想的なもの、動物的なものと精神的なもの、心情から生れるものと頭脳から生れるものとの区別がある。一方は、万人に可能で、他方は、読み、書き、考える人に限られる。
幸福の秘訣は、興味・関心をなるべく広く持ち、努力せずに人や物に好感を抱く(ようになれる)ことで、これが個人的幸福の一番大きな源泉である。仲間がいて、協力できることが幸福には不可欠な要素で、多くの人々と共感できる考えや気持があるとよい。
道楽や趣味は、根本的な幸福の源泉ではなくて、現実から逃れる方便、苦痛を忘れる手段に過ぎない。
幸福を作り上げる興味・関心とは、人々を観察し、彼らの特色に喜びを見出す種類の関心である。他人にほめられたいとか、他人に権力を揮いたいという心情ではなく、他人の抱く関心や喜びに役立つ機会を与えたくなる態度と関心である。
The secret of happiness is this: let your interests be as wide as possible, and let your reactions to the things and persons that interest you be as far as possible friendly rather than hostile. ...