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バートランド・ラッセル「Open Mind, Open Heart」 n.9

* 出典:もりやつとむ(編著)『ラッセル予想問題と対策』(早稲田予備校,1969年6月刊。194pp.)
* 早慶上智合格新書のなかの1冊

Open Mind and Open Heart, n.9


開かれた知性と開かれた心 n.9


[Text]  Text n.8 は省略

...The question of the truth of a religion is one thing, but the question of its usefulness is another. I am as firmly convinced that religions do harm as I am that they are untrue.
The harm that is done by a religion is of two sorts, the one depending on the kind of belief which it is thought ought to be given to it, and the other upon the particular tenets believed. As regards the kind of belief: it is thought virtuous to have faith- that is to say, to have a conviction which cannot be shaken by contrary evidence. Or. if contrary evidence might induce doubt, it is held that contrary evidence must be suppressed.

[設問]

(1) as I am that they are untrue,の am と that との間に挿入するとすれば何を書くべきか,その語句を記せ。
(2) 文中の a religion の a は次のどの意味か。
  (イ) one (ロ) any (ハ) a certain
(3) which it is thought ought to be given to it の部分において,
(イ) which の格を問う
(ロ) it is thought の it の用法を問う…
(ハ) given to it の it は何を指すか文中の語で記せ。
(4) the other upon の部分で other と upon の間に何を挿入すべきか。
(5) the particular tenets believed では tenets と believed との間に挿入するとすればどんな語句か,示せ。
(6) that is to say を一語に書き直せ。

[単語研究]

one thing … another: one と another とが対(ツイ)になる。
 another の次に thing が内包されているが,前出故省略される。
 cf.2つしかないものを指示する時は (the) one とまず言い, 次に, 残るものを the other と言う。one に the をつける時は強めた気持の言い方。。一方に on the one hand, 他方に, on the other hand. 複数になると,some......others となる。
 others に the をつけ the others となると the rest(残り全部)の意味になる。
 ものを指示・指定する言い方は英語は日本語よりもキメが細かく,別々な単語を用意して使う。
every=each(ひとつ) and all(残らず)。ひとつ残らず,と言って,指示する意味は all より強い。
shaken: cf.<shake ゆすぶる → ぐらぐらにする→ 批判する。
If contrary evidence might induce doubt: 反対側の提示する証拠が自分になる程そうかなと自分に疑問を抱かせることになっても,の意
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(出典:B. Russell's The Good Citizen's Alphabet, 1953

[対意訳]

 宗教のもつ真理という問題とそれが役に立つという問題とは別箇のものです。私は、(諸種の)宗教が虚偽であると共に有害であると、確信しています。
 宗教によってなされる害も2種類あります。一方は宗教というものに当然賦与されていると考えられる信条の種類に依拠する害であり,また,他方は信じられる個々の教義に依拠する害であります。
 信条の種類について言えば,即ち,つぎの通りです。信仰をもつこと,即ち,逆の証拠によっても動揺を来たすことのありえない確信をもつことが有徳である,という考えです。別の言い方をすれば,逆な証拠が疑問を抱かせるかも知れないとすれば,その逆な証拠を抑圧しなければならないという考え方です。

[設問解答]

(1) firmly convinced
(2) (ロ) any religion
(3) (イ) which は ought to の主格, it is thought は挿入節,関係代名詞の格の決定において,関係代名詞に続く2つのSあるいは2っのVのある節において,関係代名詞のすぐ後に来るS+Vは挿入節のことが多く,関係代名詞の格の決定は残余のSあるいはVによってきまる。
例1 下の文の( )内の一語を選べ。
The man(who; whose: whom) I believed was my best friend deceived me.
(解) I believed を挿入節とみる,whoをとる。
例2
 Do(that; what; which) you think is right.
(解) you think は挿入節,whatをとる。 例3
Go first to those (who; whose; whome) you are sure, will help you.
(解) You are sure を挿入節とみる。
 (ハ) a religion=it
(4) depending (5) ought to be
(6) namely