バートランド・ラッセルのポータルサイト

バートランド・ラッセル「外延性原理」- principle of extentionality

* 原著: Introduction to Mathematical Philosophy, 1919, chap.6
* 出典:牧野力(編)『ラッセル思想辞典



ラッセル関係電子書籍一覧
【以下は、藤川吉美氏(当時、成蹊大学講師/東工大助教授、九州女子大教授を経て、九州女子大学長)が記述したものです。わかりにくいので、ラッセル『私の哲学の発展』第10章「ウィトゲンシュタインの衝撃」のなかの説明(対訳)を参照してください。】
外延性の原理(外延性の公理)(対訳版)

 外延文脈において、指示対象は同一であるが意味は異なるといったような二つの表現を相互に代入するとき、その文脈を含む言明の真理値に異同の生ずることがフレーゲ、ラッセル等々によって発見されたが、外延原理はこれを避けるための一方策である。形成される表現を原子的命題真理関数による組立てとに限定し、様相などのある種の文脈を排除する一方、それらも含む文が外延文へと翻訳されることができ、それが研究領域に適切であることを必要とする。一般には、こうした「外延性原理」は集合論において「集合の同一性」を決定する定義ないし公理のかたちをとる。(藤川)