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著しい肉体上の偉業

R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編)『拝啓バートランド・ラッセル様_市民との往復書簡集』

目 次

* 松下注:講談社刊の邦訳書において、日高氏は a remarkable physical feat を「著しい物理学の功績」と誤訳されている。<

 '・・・。学校が出した「一般的知識に関する質問」で、私は次の問題の解答を見つけなければなりません。――

 「ラッセル卿は、肉体的にどのような優れた偉業を行ったか?」

 私にはどうしてもこの答えを発見できません。・・・。'


ラッセルからの返事(1960年1月2日)

 拝復、ミス・ヤーントン様


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 出題されている「肉体的に優れた偉業」というのは、あれは主として新聞記者による作り話と思います。
 私は乗客として水上飛行挺(a flying boat)にのっていましたが、その飛行挺がノルウェーのトロンドハイム沖のフィヨルドに墜落して沈みました。乗客の一部は死亡しました。生き残った者は、機外から(氷に覆われた)海に飛び込み、近くの救助ボートまで、百ヤードほど泳がなければなりませんでした。事実は、それだけですが、新聞がすべてを誇大に報道しました。(編者注:新聞は誇張して報道したが、ラッセルの記述は控えめすぎる。この墜落事故は、1948年、ラッセルが76歳の時に起こったものである。)
 敬具 バートランド・ラッセル
(From: Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence with the general public, 1950 - 1968. Allen & Unwin, 1969.)