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「サー・バートランドではありません」(拝啓バートランドラッセル様より)

* 原著:R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編著)『拝啓バートランド・ラッセル様_市民との往復書簡集)』

目次

拝啓 サー・バートランド!

 ロバート・パーキン氏のコラム(特別寄稿欄)、楽しくお読みなっていただけると思います。・・・。また、私の写真を同封しましたが、私の顔は、随分昔、ハーヴァード大学で先生が励ましてくださったときの若者の顔とはまったく異なっています。・・・。

ラッセルからの返事・1958年2月11日付)

拝復 アーンダール様


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 2月2日付の手紙、大変素敵なあなたの写真、それからロッキー・マウンテン・ニュース紙の非常におもしろい切り抜き、ありがとうございます。
 もし今度パーキン氏に会われたら、私の謝意を伝えていただければ幸いです。
 ところで、私は「サー・バートランド」ではありません。'サー'という称号は、准男爵とナイト(注:准男爵の次に位する一代かぎりの爵位)に限られて使われますが、私はそのいずれでもありません。さらに、私は「バートランド卿」でもありません。公的には、私は(ただ)「バートラン・ラッセル」と言っており、私的には「ラッセル卿」です。手紙の宛名や公式の文書では、私は「ラッセル伯爵」となります。--しかし、'伯爵'という言葉は、会話には使いません。
 このようにこんがらがった複雑さというものは、あなたにもまったくそう感じられるにちがいないと思いますが、馬鹿げたことです。それで、私としては、どのように宛名を書かれようとも、ちっとも気にしません。・・・。
 敬具
 1958年2月11日 バートランド・ラッセル (From: Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence with the general public, 1950 - 1968. Allen & Unwin, 1969.)