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小野修「バートランド・ラッセルにおける科学と道徳」(日本のバートランド・ラッセル研究者の発言)

* 小野修(1931~ ):執筆当時,同志社大学教員

・・・。ラッセルは、狂信と並んで危険な現代病として無関心 listlessness をあげている。これこそ今日の科学者、知識人が心すべき問題だろう。目前の不正や悪を見ながら、なお逡巡し、科学の没道徳性の口実のもとに権威に迎合し、私利私欲に走るといった似非非科学者からは、ラッセルはおよそほど遠い人である。ラッセルは科学的な理論家であるとともに、不正と圧迫に敢然と挑戦する実践運動家である。(詳細は、『ラッセル協会会報』n.6 参照)