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ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

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バートランド・ラッセル名言・格言集

5.教 育 思 想

幼児期における教育

手に負えない子供をして、自分が悪いんだと感じさせたところで何の役にもたたない。むしろ他の子供たちが楽しんでいる喜びを今自分は失いつつあるのだと感じさせる方がいっそう目的に添っている。(From: On Education, 1926.)

・最初の子供がそれ以後に生まれた子供よりも通常、しゃべったり歩いたりすることを学ぶ上で遅いのは他でもない。大人たちがこれらの仕草において余りにも完全であり、それだけまねるのが困難だからである。三歳の子供は一歳の子供にとっては良い模範である。(From: On Education, 1926.)


ラッセルの言葉366
・子供は空想が純粋でありさえすれば、つまりそれが現実の姿だとふれこまれぬ限りそれを喜ぶが、彼らは空想と事実をはっきり区別する。...。子供の個人的環境が幸福である限り、彼は世間一般に関する不快な真理によってただちに動揺はしない。子供は本来ごまかしを嫌うにもかかわらず、通例それは年をとるにつれて消滅する。それゆえ、子供に不快な真実を知らせない慣行は、断じて大人達が考えるように子供のために採用されたのではなく、ほかならぬ大人にとって率直さが苦痛であるゆえに作られるにすぎない。
Children enjoy fancy when it is pure, that is to say, when it makes no pretence to be reality, but they distinguish sharply between fancy and fact. .... So long as their personal circumstances are happy, they are not readily upset by disagreeable truths cncerning the world in general. They have a dislike of humbug, which usually disappears in later life. The habit of screening them from the knowledge of disagreeable truths is not adopted for their sakes although adults may think it is; it is adopted because adults themselves find candour painful. (5 Oct. 1932: In:Mortals and Others; American Essays, 1931-1935,v.1)

親の愛情

・親の愛情は、この危険な世の中で子供達に安心感を与え、子供達が自分達を取り巻く環境に対し実験したり探求したりするにあたって大胆にさせる。(Marriage and Morals, 1929 より)

[教育者が持つべき人間観]

・ある性質は一部の人達に望ましく、また、ある性質はすべての人達にとって望ましい。我々は芸術家も必要だが科学者も必要だ。偉大な政治家も必要だが農民や粉屋やパン屋も必要である。即ち、ある一つの方向で優れた人をつくる性質も、往々にして、もしそれを万人が持てば望ましくないような性質のものである。...。若干の特質は、人間一般にとって望ましいものであるが、私が今ここで考察しようとしているのは、そうした性質についてだけである。
 相集まって理想的性格を形成するものとして、生活力(バイタリティ)、勇気、感受性、知性の4つの性格的特質をあげたい。(From: On Education, 1926)