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ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

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バートランド・ラッセル名言・格言集

3.政治・社会思想

自由と統制

・最大限の自由は'無政府状態'では確保されない。自由と統制との宥和をはかることは困難な問題であるが、いかなる政治理論もこれはまともに取り扱わなければならない問題である。


ラッセルの言葉366

民主主義

・...。デモクラシーが望ましいのは普通の選挙民が政治的英知を所有しているからではなく、権限を独占する特定の集団が必ずや、自分たち以外の人々はある特定の生活の便益を享受しないのが望ましいと証明する理論を発明するゆえに、それを予防するために必要なのである。この傾向は人間性の中でも、最も可愛げのないものの一つであるが、全階級そして男女両性全体への正当な権力の配分以外には、これを封ずる十分な方策がないことは歴史が明瞭に示している。
... Democracy is desirable, not because the ordinary voter has any political wisdom, but because any section of mankind which has a monopoly of power is sure to invent theories designed to prove that the rest of mankind had better do without the good things of life. This is one of the least amiable traits of human nature, but history shows that there is no adequate protection against it except the just distribution of political power through all classes and both sexes. (3 Aug. 1932: In: Mortals and Others; American Essays 1931-1935,v.1)

権力について

権力愛はまた、臆病な人々の間では全く姿を変えて、指導者に対する唯々諾々とした服従の衝動という形をとることがあり、これが大胆な人々の権力衝動の範囲をますます増大させる結果ともなる。(Power; a new social analysis, 1938 より)

指導者と取り巻き連中

・権力衝動には二つの型がある。衝動のはっきりしているのが指導者で、こっそりとしか表れないのが服従者である。みなが進んで指導者に従ってゆく場合、それは、彼らがその指導者の支配している集団の力で権力を獲得しようとするからで、彼らは指導者の勝利を自分達の勝利と感ずるのである。・・・。人が権力を好むのは、問題の仕事を扱う自分の能力を信ずるかぎりでの話で、自分が無能力だと知れば、むしろ指導者に従いたいと思うものである。・・・。へりくだって従うということは、すべて恐怖に根ざすものであり、その場合、我々の指導者と仰ぐものが人間だろうと神であろうと、その点に変わりはない。(「第三の型:脱落者」・・・ 支配したいという気持ちの元となる横柄さ imperiousness は持ち合わせていないが、服従を拒否するだけの勇気ならあるという人間。)(Power, 1938 より)

ユートピア:仕事と余暇の時間

・......。ユートピアを構想する人々は、何が良き生活であるか、ということに関する根本的に誤った仮定のもとに議論を進める。彼らは、これこそは良きもの(善)であると断定され、未来永劫良いものであり続ける、ある社会状態と生活様式を想定することが可能であると考えている。
 人間の幸福の大部分が、能動的な活動に依存しており、残りのごくわずかのみが、受動的な享受に派生することを彼らは悟っていない。受け身の享受に派生する喜びでさえ、大部分の人間にとっては、それが能動的活動の合間にやってくる時にだけ、満足すべきものとなるのである。 社会改革家たちは、ユートピアの発案者と同様、人間性の極めて明白なこの事実を忘れがちである。つまり彼らは、より多くの余暇(時間)とその余暇を享受するためのより多くの機会を確保することを目指しており、働くことそれ自体をより満足しうるものとさせ、またそれを衝動により合致したものとさせ、さらに働くことを、創造欲だとか、自分の能力を行使する願望などの、より良いはけ口とさせることは等閑にふしている。

......The men who make Utopias proceed upon a radically false assumption as to what consititutes a good life. They conceive that it is possible to imagine a certain state of society and a certain way of life which should be once for all recognized as good, and should then continue for ever and ever. They do not realize that much the greater part of a man's happiness depends upon activity, and only a very small remnant consists in passive enjoyment. Even the pleasures which do consist in enjoyment are only satisfactory, to most men, when they come in the intervals of activity. Social reformers, like inventors of Utopias, are apt to forget this very obvious fact of human nature. They aim rather at securing more leisure, and more oppotunity for enjoying it, than at making work itself more satisfactory, more consonant with impulse, and a better outlet for creativeness and the desire to employ one's faculties. ..(From: Principles of Social Reconstruction, 1916, chap. 3)