バートランド・ラッセル生誕120年記念講演会 - 主催:バートランド・ラッセル研究会
良い意味でも悪い意味でも「哲人」「大哲学者」といった呼称のふさわしい人物が不在のまま久しい今日,英国の哲学者・社会運動家バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)の人物像と世界観を見直し,現代社会を考える。
数学・論理学の分野で画期的な業績をあげるとともに,社会主義を研究し,第一次世界大戦時には反戦運動のため投獄され,ロシア革命にあっては革命直後のソ連を訪れてソビエト共産主義を批判し,実験学校を開き,急進的な結婚論を唱えたゆえに大学教授の職を失い,冷戦初期には西側陣営を代弁してノーベル文学賞を受賞,その後反核の姿勢を現して89歳にして再投獄され,ベトナム戦争に際しては「ラッセル法廷」を組織して世界の反戦運動を主導し,死の前々日まで声明を発表しつづけたラッセル。
常に戦闘的な姿勢を崩さぬ怒れる現実主義者であるとともに,「ビクトリア時代の生き残り」を自称する機知にとんだユートピアンでもあったラッセル。数学,論理学,認識論,科学論,幸福論,教育論,結婚論,宗教論,小説等々,あらゆる分野に著述を残した多面的人格ラッセルを論ずることは,価値観が多元化するとともに古きヒューマニズムが忘れ去られつつあるこの現代において,特別の意味を持つのではなかろうか。(バートランド・ラッセル研究会)
日時
平成4年5月17日(日),13:00-16:00(12時半開場)
場所
文京女子短期大学構内・新館(D館)6階 スカイ・ホール
〒113 文京区向丘1丁目(Tel.3814-1661)
バス停「本郷追分」下車(バスは,①駒込駅行,②荒川土手駅行,
③王子駅行,のどれかに乗車してください)
内容等
*進行係:松下彰良(東京大学総合図書館司書)
講演I 13:00-14:30
(1)ラッセルの民主主義論(牧野力・元ラッセル協会常任理事/写真:講演中の牧野力教授)
(2)<仮題>ラッセル,ポッパー,及び批判的合理主義(碧海純一・東京大学名誉教授,元ラッセル協会常任理事)
(3)ラッセルの世界連邦思想(日高一輝・前世界連邦建設同盟理事長,元ラッセル協会常任理事)
質疑I 14:30-15:00
*司会:三浦俊彦(和洋女子大学助教授)
『週刊読書人』平成4年5月18日号掲載
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講演 II 15:15-15:45)
(4)ラッセルの社会主義論,共産主義論(河合秀和・学習院大学教授)
質疑II 15:45-16:00
*司会:三浦俊彦(和洋女子大学助教授)<
[参加費] 一人 500円
(参加者には,「ラッセル協会会報」創刊号,ラッセル著作年表等配布)
[頒布資料] 希望者には,以下のものを頒布致します。
創刊号以外のラッセル協会会報(1部100円);ラッセルの著書の邦訳書等(実費)
[問合せ先]松下(電話3814-9727←当時の電話番号)