哲学者は冗談を余り言わないというイメージが一般的にあります(たとえば,カント,ウィトゲンシュタイン,ニーチェ,西田幾多郎など)。しかし,ユーモア好きな哲学者も数は多くはないが存在します。バートランド・ラッセルもその中の一人であり,ラッセルの場合は,真面目な理論哲学書のなかに,突然とびっきりの冗談や面白い喩えが出てきたりします。ラッセルは,原則として,執筆活動で生計をたてていたため(また家族を養っていたため),幅広い読者を引き寄せるための読者サービスの意味もあったと思われます。ラッセルの著書の愛読者の多くが,ラッセルのウィットやユーモアや皮肉や毒舌を楽しんでいます。