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日本バートランド・ラッセル協会への寄贈図書

* 出典:『日本バートランド・ラッセル協会会報』第14号(1970年3月)p.10.


金子光男著「現代日本教育の自立的思想-B.ラッセルの示唆するもの-」
 (東京家政大学研究紀要第9集抜刷1969年3月)


要 旨
 ラッセルの教育観を通じて、新しい教育の推進を意図する。次の3点を提唱する。
・第1「知性の教育」
 政治権力や宗教的狂信にあやつられないで、少年少女自身の批判力や判断力を養う。断片的知識のつめ込みでなく、科学的精神に裏付けられた合理的疑念を媒介とする。
・第2「自己訓練の教育」
 真実の自己を志向する新しい自由のため、人間の自己自身に対するたたかいが必要である。
・第3「生命力の教育」
 人間生活を支配する意識的目的と衝動は生命力に支えられている。創造的衝動、勇気、希望、不動の信念は生命力によって保証される。
 現代の教育目標は、正しい価値観に立脚し、人々を健全な精神の持ち主に育てることである。(冒頭英文の要旨を意訳)