短期的成果を追い求め,権力を振るうことに快感を覚える独裁的政治家

Trump_Bulldozer_2017 最も満足できる目的とは、1つの成功から次の成功へと無限に導く、決して終わりのない目的である。そして、この点において、建設は、破壊よりもいっそう’大きな幸福の源’であることがわかるであろう。
The most satisfactory purposes are those that lead on indefinitely from one success to another without ever coming to a dead end; and in this respect it will be found that construction is a greater source of happiness than destruction.
出典:ラッセル『幸福論』第14章「仕事」
http://russell-j.com/beginner/HA25-040.HTM

<寸言>
建設よりも,破壊による快感や権力欲によって動かされる政治家が少なくない。もちろん,相当の大衆が熱狂的に支持するからそういった人間が跋扈できるのではあるが・・・。

破壊の口実-破壊だけでも意義があるかのごとく(破戒僧,破壊大統領)

trump-self-destruction_jibaku-tero しかし、人間は、少なからず、その後に続くべき建設を何ら顧慮しないで、破壊を目的とする活動に従事することがある。しばしば彼は、自分は新たに建設するために古いものを一掃しているだけだと信じる(信じこもうとする)ことによって、このこと(破壊だけが目的であること)を自分に隠そうとする。それが口実の場合には、破壊の後に続く建設とは何であるか尋ねることによって、通例、その(破壊の)口実の仮面をはぎ取ることができる。予備的な破壊については精確かつ熱意を持って語ったにもかかわらず、この話題については、彼は、あいまいかつ情熱もなく語る、ということがわかるだろう。このことは、少なからぬ革命家軍国主義者及びその他の暴力の使徒にあてはまる。彼らは、通常自分では気づいていないが、憎しみに駆られて行動している。自分たちの憎しみの対象の破壊が彼らの真の目的であり、その後に何がくるべきかということには、彼らは、比較的無関心である。

But not infrequently a man will engage in activities of which the purpose is destructive without regard to any construction that may come after. Frequently he will conceal this from himself by the belief that he is only sweeping away in order to build afresh, but it is generally possible to unmask this pretence, when it is a pretence, by asking him what the subsequent construction is to be. On this subject it will be found that he will speak vaguely and without enthusiasm, whereas on the preliminary destruction he has spoken precisely and with zest. This applies to not a few revolutionaries and militarists and other apostles of violence. They are actuated, usually without their own knowledge, by hatred; the destruction of what they hate is their real purpose, and they are comparatively indifferent to the question of what is to come after it.
出典:ラッセル『幸福論』第14章「仕事」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA25-040.HTM

<寸言>
幼児や幼児性が消えていない政治家に多いタイプ。
sekaitekina_gakkyu-hokai 幼児の場合には,「建設」は難しいので「破壊」から始まることは,大人はみな理解する。しかし、大人は,他人のことはわかっても,自分自身のことはわかならい人が少なくないようである。即ち,大人は「破壊」よりも「建設」のほうが重要なことをわかっているはずであるが、「建設のためには破壊が必要だ!」といって「破壊」しておしまいの人が、特に政治家の間には,けっこう見られる。
「破壊」は腕力(権力)さえあれば誰でもできるが,「建設」には知力(頭)や人望が必要である。「知性」を蔑視,あるいは二の次にするような政治家にとっては、新しいものを「建設」(創造)することは不得手である。
従って、そういった政治家は、自分の気に入らないものは「破壊」するとともに、後は自分たちの特権を守るために心血を注ぐ(保守に徹する)ということになる。そうして、発言は幼児性を帯び、「自分を見て!」といった幼児性にあふれたパフォーマンスが大好きである。たとえば,・・・。

見果てぬ夢と目標を胸に・・・

utopia_creating 必要とされる技能(技術)が変化に富むか、あるいは際限なく向上させうるものであれば、技能(熟練)を要する仕事は全て、楽しいものにすることができる。(しかし)もしこういった条件がなければ、(その人が獲得可能な)最高度の技能(技術)を身につけたときには、仕事は面白くなくなってしまうであろう。

All skilled work can be pleasurable, provided the skill required is either variable or capable of indefinite improvement. If these conditions are absent, it will cease to be interesting when a man has acquired his maximum skill.
出典:ラッセル『幸福論』第14章「仕事」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA25-030.HTM

<寸言>
そういった意味では、生涯をかけても到達できそうもない夢や目標を持つのが賢明。

社交辞令としての「微笑み」-オ・モ・テ・ナ・シ → 即ち,裏ばかり?

bored-kitty 退屈を隠すために微笑する癖を身につけた人間は,やがて他のもっとうしろめたい感情を隠すためにも微笑を利用しがちとなる。

Having learned to smile in order to conceal boredom, men tend to use the smile to conceal other less innocent emotions
出典:Bertrand Russell, On smiling, Aug. 17th, 1932.
In: Mortals and Others, v.1 (1975)]
詳細情報:http://russell-j.com/SMILING.HTM

<寸言>
inamuri_tachiagare-nippon 国会議員の多くがアクビをかいているのは,国会の質問や答弁が出来レースが多くて退屈だと思っている(それを正直に表している)だけでなく,国会外の活動(武藤議員の不倫活動、接待したりされたりする夜の外交やクラブ活動?等)でお疲れなんでしょう。

専門職としての保育士の重要性

early-childhood-ed しかし、全ての母親は(が)誰か他の女性がもっとうまくやれることであっても自分自身でやるべきである、と要求するような社会慣行があってはならない。多くの母親がそうであるように、我が子に対して当惑と無能力を感じる母親は、この仕事への適性があり、必要な訓練を受けている女性に、我が子の世話を委ねることをためらってはならない。我が子に対してなすべき正しいことを女性に教えてくれる天から与えられた本能などない。また、ある一定の限度を越えた’気づかい’は、所有欲のカムフラージュ(偽装)である。多くの子供が、母親の無知で感傷的な扱いによって心理的に駄目にされる

infantsBut there should be no convention demanding that every mother should do herself what some other woman can do better. Mothers who feel baffled and incompetent when faced with their children as many mothers do, should have no hesitation in having their children cared for by women who have an aptitude for this work and have undergone the necessary training. There is no heaven-sent instinct which teaches women the right thing to do by their children, and solicitude when it goes beyond a point is a camouflage for possessiveness. Many a child is psychologically ruined by ignorant and sentimental handling on the part of its mother.
出典:ラッセル『幸福論』第13章「家族」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA24-100.HTM

<寸言>
母性本能はあっても(強くても),幼児の健康増進や知育をどうやったらよいかという知識がないと,母親の無知で感傷的な扱いによって.幼児の健康を損ねたり,幼児を心理的に駄目にしたりする危険性がある。
質の高い保育所に預ければ,費用がかなりかかり,働いて得る給料の多くを保育費にとられるかも知れないが,(核家族において)少なくとも子育ての仕方がわからずにパニックになることはなく、精神的なゆとりがでるという大きなメリットがある。

子どもをペットのようにかわいがるのはよくない

kodomo_oet 子供を支配する権力よりも純粋に子供の幸せを望む親は,何をするべきで,何をするべきでないかについて述べている精神分析の教科書は必要なく,衝動によって正しく導かれることだろう。そして,その場合には,親子関係は,最初から最後まで調和しており,子供には反抗心はおきないし,親には挫折感をもたらさないだろう。しかし,そのためには,親の側に最初から子供の人格に対する尊重の念が必要となり,その尊重は,道徳的であれ知的であれ,単に原則の問題ではなく,所有欲と抑圧がまったく不可能になるまで,ほとんど神秘的な確信をもって深く感じられるものでなくてはならない。

The parent who genuinely desires the child’s welfare more than his or her power over the child will not need textbooks on psycho-analysis to say what should and what should not be done, but will be guided aright by impulse. And in that case the relation of parent and child will be harmonious from first to last, causing no rebellion in the child and no feeling of frustration in the parent. But this demands on the part of the parent from the first a respect for the personality of the child – a respect which must be not merely a matter of principle, whether moral or intellectual, but something deeply felt with almost mystical conviction to such a degree that possessiveness and oppression become utterly impossible.
出典:ラッセル『幸福論』第13章「家族」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA24-090.HTM

<寸言>
子どもをペットのようにかわいがる親がけっこういる。

子離れ,親離れ,乳離れ?

tied_to_his mothers_apronstrings もしも,子供に,必要以上に鮮明に危険を意識させるならば,あなたは,多分,子供を自分に依存させておきたいという欲求によって動かされているのである。もしも,子供に慎みのない愛情を与えてお返しを期待するならば,あなたは,多分,子供の感情を利用して子供を自分に繋ぎ止めておこうと努力しているのである。親の所有衝動は,親がよほど用心深いか,あるいは,心が非常に純粋でないかぎり,大小いろいろな方法で,親に道を踏み迷わせる
If you make him too vividly aware of dangers, you are probably actuated by a desire to keep him dependent upon you. If you give him demonstrative affection to which you expect a response, you are probably endeavouring to grapple him to you by means of his emotions. In a thousand ways, great and small, the possessive impulse of parents will lead them astray, unless they are very watchful or very pure in heart.
出典:ラッセル『幸福論』第13章「家族」
詳細衝動:http://russell-j.com/beginner/HA24-090.HTM

<寸言>
長生き(高齢化社会)によって,ますます子離れ、親離れの時期が遅くなる。
ここで,親を国家、子どもを国民、危険や恐怖の対象を敵対国家にしてみよう。外国の脅威をあおることによって、政権(国家)に対する依存度を増すことができる。特に、体制の基盤が弱くなっていく時に外国の脅威をあおり、「今は政権の交代をさせるような状況ではない」と国民に思わせることができれば、成功となる。

宗教に頼らずに,人類(生命)の歴史に慰めと希望を見出すこと

hisitory_of_life この世で幸福になるためには,特に青年期が過ぎてからは,自分のことを,’まもなく一生を終える孤立した個人として感じるだけでなく,最初の胚種から遠い未知の将来へととどまることなく流れていく生命の流れの一部だと感じることが必要である。

To be happy in this world, especially when youth is past, it is necessary to feel oneself not merely an isolated individual whose day will soon be over, but part of the stream of life flowing on from the first germ to the remote and unknown future.
出典:ラッセル『幸福論』第13章「家族」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA24-060.HTM

<寸言>
Curious-Large-Family-Tree-Template 生命誌全体から見て,自分は生命の誕生から繋がっている(生命の流れの一部)と理解することはできても,生命としての一体感を感じることは難しいかも知れない。しかし,最初の一人の人類から自分まで人類は遺伝子で繋がっている(人類は皆兄弟))と考えることは,想像力とある程度の知性があれば可能であろう。

若いうちは,あたかも自分は永久に死なないように,あるいは少なくとも平均寿命くらいは生きられるだろうから,(肉親や親しい知人が死んでない限り))死はまったく他人事のように感じられる。

東北大地震(東日本大震災)が起こった時はさすがに,他人の死他人事ではないと思った人が多かったと思われる。しかし,そう思わない(思わなかった)人も少なくないようだ。そうでなければ,原発の再稼働がどんどん申請されているのに抗議するひとが余り多くないように見えるのは理解に苦しむ。
原発の再稼働に賛成している(あるいは仕方がないと思っている)人も,原発が自宅の近くにないからであり,自宅の近くにあれば反対するだろう

豊かな中小都市づくりをせずに、効率第一に大規模都市づくりを優先

TOKYO, JAPAN - 1997/10/01: Rush hour at Shibuya subway station in Tokyo. (Photo by Gerhard Joren/LightRocket via Getty Images)
TOKYO, JAPAN – 1997/10/01: Rush hour at Shibuya subway station in Tokyo. (Photo by Gerhard Joren/LightRocket via Getty Images)

ロンドンニューヨークのような都市は,非常に大きいので,市外へ出るにはずいぶん時間がかかる。都市に住んでいる人びとは,通例,フラット(flat: 同一の階に1戸分の住まいがあるアパート/つまりメゾネット・タイプになっていないということであり,同一階に複数の世帯がある。)で満足しなければならないし,もちろん,個々のフラットには1インチ平方の土地もくっついておらず,また,そこでは,みの収入の人びとは最小限のスペースで満足しなくてはならないもしも幼い子供がいる場合,フラット住まいは困難である。子供たちには遊び場がなく,また,両親には子供たちの騒々しさから逃れる場所がない。その結果,専門的な職業についている人たちは,ますます郊外に住む傾向がある。これは,疑いもなく,子供の立場からは望ましいことであるが,父親の生活の疲れをかなり増し,家族の中で果たしうる父親の役割を大幅に減らすことになる。

Cities like London and New York are so large that it takes a very long time to get out of them. Those who live in the city usually have to be content with a flat, to which, of course, not a square inch of soil is attached, and in which people of moderate means have to be content with the absolute minimum of space. If there are young children, life in a flat is difficult. There is no room for them to play, and there is no room for their parents to get away from their noise. Consequently professional men tend more and more to live in the suburbs. This is undoubtedly desirable from the point of view of the children, but it adds considerably to the fatigue of the man’s life, and greatly diminishes the part which he can play in the family.
出典:ラッセル『幸福論』第13章「家族」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA24-030.HTM

<寸言>
毎日長い時間をかけて通勤する(時間を費やす)ことによる弊害。それがいやだということで,一般の賃金労働者が都心で住めば,住居は狭く,空き地などの遊び場がないので活動的な子供は不幸となる。
これは、経済効率第一に大都市中心の政策(補助金政策、住宅政策、交通整備対策、その他)を推し進めている結果豊かな環境を備えた中小都市づくりに国が力を入れてきたらこのようなことにはならないであろう。政治と経済の癒着東京に全て集中させていることからいっそう起こりやすくなっている。政治と経済の分離大地震対策からも是非必要。(ニューヨークとワシントン/メルボルンとキャンベラ/北京と上海/リオデジャネイロとブラジリア/ベルリンとボン/その他、首都機能と経済機能を分離しているところはかなりある。)
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世界的な「学級崩壊」 - XX first(◯◯ファースト流行り)

私は,人類の文明改善され続けると考えたいが,時々起こるように,まったく逆の考えにとらわれると憂鬱になる。(しかし)今日,当面の見通しが幾分暗い時には,より遠い将来のことを考えると,しばしば元気づけられる

I like to think that civilisation will continue to improve, and the opposite thought when it comes, as it sometimes will, is depressing. In these days, when the immediate outlook is somewhat gloomy, the thought of a more distant future is often cheering.
出典: Taking long views,Mar. 30,1932. In Mortals and Others, v.1, 1975.]
詳細情報:http://russell-j.com/LONGVIEW.HTM
sekaitekina_gakkyu-hokai
 <寸言>
どこの国でも,どこの地域でも,「◯◯ファースト」と言っておけば人気がとれるようになってしまった。一見、大衆に呼びかけているように見えてそうでない場合が多い。「アメリカ・ファースト」と愛国心をあおっているトランプも、以前は「自分の会社ファースト」であった。トランプはビジネスに明るいと言っても,他社を出し抜いて自社の利益を最大化するのと、一国全体を繁栄させるのとはかなり異なっている

一転,世界全体で見れば、他国は他社であり、自国(自社)の利益を第一に考えて力で他国(他社)をねじ伏せて従わせようとすれば、アメリカに短期間の繁栄をもたらすであろうが、数年すれば世界に大きな被害を与えることになるであろう。

どこの国も「◯◯ファースト」とさけんで腕力でみずからの欲求を通そうとしていったら、弱肉強食の世界になるだけであり、弱小国のなかの弱者はテロリストとなって、強国(強者)に復讐をすることになるのではないか?
Utopia_City