人生の幸福の総量?

man_eats 善い生活においては,諸活動の間にバランスがなければならず,そうした諸活動は,どれ1つとして,その他の活動が不可能になるまで押し進められてはならない。(たとえば)大食漢‘(暴飲暴食をする人)は,食べる楽しみのためにその他の楽しみをすべて犠牲にし,そうすることによって,彼の人生の幸福の総量を減らしている。
出典:ラッセル『幸福論』第11章「熱意」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA22-050.HTM

In the good life these must be a balance between different activities, and no one of them must be carried so far as to make the others impossible. The gormandiser sacrifices all other pleasures to that of eating, and by so doing diminishes the total happiness of his life.
From:The Conquest of Happiness, 1930, chap.11:Zest

[寸言]
TV(マスコミ)では,「大食い選手権」などの,’大食漢’を褒めたたえるような娯楽番組をかなりの頻度放送します。私はそういった「大食自慢の人」も,それをはやし立てるTV(マスコミ)も,そういった番組を好んでみる視聴者にもあまり良い印象をもてません(はっきり言えば嫌いです)。
若いうちは暴飲暴食をしても具合が悪くなることはないかも知れないですが,過去の暴飲暴食が年をとってから大きな影響を与えます。後悔先に立たず。
暴飲暴食者の一食でアフリカの飢餓者がどれだけ救われるかなどと言えば,せっかく人(多くの人)が楽しんでいるのに無粋な奴だと思うかも知れませんが,やはり,「小人閑居して不善をなす」という思いが強くなります。