農業における過重労働からの解放-科学技術のますますの活用

smart_vegetable_garden 農業を始めたとき,人類は,餓死する危険を減らすためには単調さも退屈も甘受しよう,と決意した。人間が狩猟によって食物を得ていた頃は,労働(仕事)は喜びであった。そのことは,裕福な人間がいまだにこの先祖伝来の仕事を娯楽として追求していることから明らかである。しかし,農業の導入とともに,人類は卑しさと不幸と狂気の長い時代にはいった。人類はいまはじめて,機械の恩恵をもたらす働きによって,それらのものから解放されつつある。

In taking to agriculture mankind decided that they would submit to monotony and tedium in order to diminish the risk of starvation. When men obtained their food by hunting, work was a joy, as one can see from the fact that the rich still pursue these ancestral occupations for amusement. But with the introduction of agriculture mankind entered upon a long period of meanness, misery, and madness, from which they are only now being freed by the beneficent operation of the machine.
出典:The Conquest of Happiness, 1930, chapt.10: Is Happiness Still Possible?
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/HA21-050.HTM

[寸言]
vegetable_factory 農業に従事することの楽しさと苦しさ。天候が年中安定している場合はよいが,天候不順や台風などで作物が全滅でもしようものなら、大変な苦痛を味わうことになる。最近は野菜工場など、温湿度を管理するとともに作業を自動化して行う農業がはじまっているが、まだほんの一部にすぎず、またコストもかなりかかる状態である。
狩猟時代(生活)においても獲物の動物が激減すれば死活問題であったであろうが、獲物を追いかけることは刺激的なものであり、退屈することはなかったであろう。
今後は、地球上の多数の人口を養うためには、好き嫌いにかかわらず、ますます人手を省いた機械やロボットによる管理に変えていかざるをえない。それによって、人間の余暇は確実に増えていき、余暇の有効な使い方が重要なものとなっていくことは確実だろう。