バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 どのような議論があるにせよ,理性は幸福を禁止するものではないということを,私は読者に納得させたい。いや,それどころか,自分の不幸を大まじめに自分の世界観のせいにする人びとは,本末を転倒している,と私は固く信じている。真実は,彼らは自分では気づいていない何か別の理由で不幸なのであり,この不幸のために,自分が住んでいる世界のあまり気に入らない特徴についてくよくよ考えるようになるのである。

I wish to persuade the reader that, whatever the arguments may be, reason lays no embargo upon happiness; nay, more, I am persuaded that those who quite sincerely attribute their sorrows to their views about the universe are putting the cart before the horse: the truth is that they are unhappy for some reason of which they are not aware, and this unhappiness leads them to dwell upon the less agreeable characteristics of the world in which they live.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.2: Byronic unhappiness.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA12-010.HTM

 <寸言>

 この前のほうに,次の文章があります。

 「自分(たち)の不幸を宇宙の本質のせいだとし,また,そのように考えることが賢明な(啓発された)人間のとるべき唯一の態度であると考えている。(彼らが)不幸を誇りにしていることは,それほど教養が高くない人々に,その誇りの純粋さに疑いを持たせる;(即ち)不幸であることを楽しんでいるような人間は,(本当は)不幸ではない,と考える。」
 → これについては次のページにある,「石原慎太郎のペシミズム」とあわせて読むと,面白いと思われます。
http://voicejapan2.heteml.jp/janjan/government/0404/0404223512/1.php