人生は危険にみちている。しかし,賢い人は,避けられない危険は無視し,また,避けられる危険は,感情をまじえず,慎重に行動する。あなたは死を避けることはできないが,遺言を残さないで死ぬことは避けることができる。それゆえ,遺言状を書き,自分が死ぬべき存在であることは忘れてしまおう。不幸に対する(抗する)合理的な備えは,恐怖心とはまったく異なるものである。
Life is full of perils, but the wise man ignores those that are inevitable, and acts prudently but without emotion as regards those that can be avoided. You cannot avoid dying, but you can avoid dying intestate ; therefore make your will, and forget that you are mortal. Rational provision against misfortune is a totally different thing from fear .
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 4: Fear.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE04-160.HTM
<寸言>
厳しい世の中(人間関係、自然環境)に対処るすためには「備え」が必要ではあるが、そういった「備え」を一応したからには、勇気を持って世界に出て行くことが望まれる。
恐怖心を抱くものは助けてもらえそうな人や組織にしがみつくことになりやすい。為政者も、汚職や失政などで国民の支持を失うと、外敵(仮想敵国など)の非道さや邪悪さを強調して国民の恐怖心をあおり、そうすることによって国民の支持を再び得ようとすることが、歴史上、たびたびあった。現代日本においても、・・・。