バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 すべての明確な知識は,科学に属すると,私は主張せざるを得ない。明確な知識をこえる事柄に関するすべての独断は,神学に属している。しかし神学と科学との間には,この両方からの攻撃にさらされている未踏の領域がある。この未踏の領域が哲学である。思弁的な人々にとって最も興味ある問題のほとんど全ては,科学が解答を与え得ないようなものであり,神学者たちの自信に満ちた解答というものは,もはや過去何世紀に渡って持ち得たような説得力を有していないように思われる。

All deflnite knowledge- so I should contend- belongs to science; all dogma as to what surpasses definite knowledge belongs to theology. But between theology and science there is a No Man's Land, exposed to attack from both sides; this No Man's Land is philosophy. Almost all the questions of most interest to speculative minds are such as science cannot answer, and the confident answers of theologians no longer seem so convincing as they did in former centuries.
 出典:A History of Western Philosophy, 1945, Introduction
 詳細情報:http://russell-j.com/cool/38T-0101.HTM

 <寸言>
  科学は純粋に客観的なものに見えても,人間という主観を通して世界を観察せざるをなく、また,(非常に正しそうに見えても)どこまでいっても仮説であると言える。即ち、科学は必ず間違っている部分を含んでおり、より包括的な理論によって、その間違いを少なくしていくことにそのよさがある。科学探求を安心してすすめるためにも科学哲学が必要である。