バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 家柄崇拝の最大の舞台は王室であり,それが生む弊害は英国民の想像が及ばないくらいである。国王の意見を一平民の意見とまったく同じように虚心に聞く態度が取れる人はほとんどいないだろうし,その上,王室の教育と生活環境は人間を知的にするようなものではない。
 
he greatest field for snobbery is the Monarchy, which succeeds in doing more harm than most English people suppose. Few people can bring themselves to treat the opinions of a monarch with no more respect than they would show to those of a common mortal, and yet the education and surroundings of royalty are hardly such as to promote intelligence.
 出典:On snobbery (written in Dec. 30, 1931 and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975
 詳細情報:http://russell-j.com/SNOB.HTM

 <寸言>
 2世議員の増加や,政治的・経済的あるいは社会的に成功すると,次は閨閥によって箔をつけたがる権力エリートたちによくみられる俗物根性(家柄崇拝は俗物根性としばしば同居)。日本でも家柄崇拝流行の兆し? 少しずつ貧富の差が拡大? 天皇「制」の意味合い,人間を序列化する叙位叙勲制度(天皇が最高勲位,国民の大部分は無冠)・・・。英国屈指の名門に生まれたラッセル「伯爵」ゆえに,より説得力を持つ発言(イギリス国王)を筆頭とする「家柄崇拝」批判)