ラッセルの言葉366_画像版

n.0030j (Nov. 30, 2016)

     
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      バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 

 私が残すべき最後(最期)の言葉を (訳注:原著には出典が書かれていませんが,以下はシェリーの詩 Hellas からとられたものです。上田和夫(訳)『シェリー詩集』(彌生書房,1967年)を参考にしました。)

 輝かしい時代は過ぎ去り,
 我々は暗黒の時代へと向かっている

とすべきか,あるいは,時々そう希望することを自らに許しているように,

 偉大な時代が再び始まり,
 黄金時代が戻り,・・・
 天は徴笑み,信仰や王国は
 消えゆく夢の名残りのようにひらめく

としたらいいのか,私にはわからない。

 私は,ささやかながら希望の側にウエイトを加えてバランスをとるために,できるだけのことをしてきたが,それも,巨大な力に抵抗する,取るに足りない骨折りでしかなかった。私の世代がなしおおせなかったことを,次の世代が成功してくれることを願っている。

I do not know whether my last words should be :
The bright day is done
And we are for the dark.
or, as I sometimes allow myself to hope
The world's' great age begins anew,
The golden years return ...
Heaven smiles, and faiths and empires gleam,
Like wrecks of a dissolving dream.
I have done what I could to add my small weight in an attempt to tip the balance on the side of hope, but it has been a puny effort against vast forces. May others succeed where my generation failed.
 出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.3:1944-1969 ,Postscript(1969)
 詳細(PCサイト):http://russell-j.com/beginner/AB30-PREF.HTM

 <寸言>
 ラッセルは,1970年2月2日(注:日本時間では2月3日/福沢諭吉の命日は1901年2月3日で年以外は同じ)にインフルエンザをこじらせて亡くなった。その2日前の1月31日には,パレスティナ問題に関する世界の国会議員会議(カイロ開催)に向けてのメッセージを書いており、それは翌日の2月3日に代読された。
 そのメッセージの全文を次のページにおいてあるが,ラッセルは97歳8ケ月で無くなるまで頭脳明晰であった。
 http://russell-j.com/1502MFBR.HTM