科学的知識と共感力


【 バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)の言葉 r366-c129】

 科学は,遠隔地の人びとの生活に対する私たち(現代人・人間)の影響力を非常に増大させたが,その人たちに対する私たちの共感(力)を増大させなかった。
Science has greatly increased our power of affecting the lives of distant people, without increasing our sympathy for them.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, chap. 2: The Aims of Education
 詳細情報: http://russell-j.com/beginner/OE02-170.HTM#r366-c129

[寸言]
 近代科学-特に自然科学は,時間的及び空間的に人間の知的世界を急速に拡大させた。知的世界の拡大は多くの事物に対する理解力・可能性を拡大するが,人間の他者に対する同情心や共感力を必ずしも拡大してこなかった。たとえば,核物理(の応用研究)を例にとれば,原子力の平和利用,核兵器の開発など,自然に対する人間の力を増大させたが,(日本の)被爆者の苦しみに対する共感を増大させてこなかった。
 ラッセルがここで言っているのは,知的理解による共感力(想像力)の拡大である。従って,被爆者を直接知らなければ共感など持てないというのは的ハズレであろう。

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