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沢田允茂「バートランド・ラッセルと論理学」

表紙 発刊のことば 目次  p.1 p.2 p.3 p.4 p.5 p.6 p.7 p.8 p.9 p.10 p.11 p.12 p.13 p.14 p.15 p.16 p.17 p.18 p.19 p.20 p.21 p.22 p.23 p.24 p.25 p.26 p.27 p.28 p.29 p.30 p.31 p.32 p.33 p.34 p.35 p.36 p.37 p.38 p.39 p.40 p.41 p.42 p.43 p.44 p.45 p.46 p.47 p.48 p.49 奥付
(p.22)しかし、私達の言語とは非常にうまく結びついている表現の仕方を採用したのです。次にラッセルから始まって現代の論理学のなかで広く使われている論理記号を表にして説明しておきます。
 ラッセルは、アリストテレスが前述のように、一つの命題の主語と述語の関係、つまり含み含まれるといった関係から出発したのに対して、p・qといった命題と命題の間の関係に注目するところから出発します。そしてこの命題も、「雨がふる」とか「山、は高い」あるいは「1+1=2」であるというような、非常に単純な文章を考えています。ラッセルはこのような表現を人間の思考の基本的で最も単純な表現(atomic proposition とよぶ)であると考えたのです。そしてこの原子的命題は世界を構成している(次のページに続く)