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沢田允茂「バートランド・ラッセルと論理学」
表紙 発刊のことば 目次  p.1 p.2 p.3 p.4 p.5 p.6 p.7 p.8 p.9 p.10 p.11 p.12 p.13 p.14 p.15 p.16 p.17 p.18 p.19 p.20 p.21 p.22 p.23 p.24 p.25 p.26 p.27 p.28 p.29 p.30 p.31 p.32 p.33 p.34 p.35 p.36 p.37 p.38 p.39 p.40 p.41 p.42 p.43 p.44 p.45 p.46 p.47 p.48 p.49 奥付
(p.2)また、論理学についてほとんど御存知ない方も含まれているということでございますので、私の観点は、一応ここにいろいろ目新しい記号を書きましたけれども、これを説明するというよりも、こういうふうな表現の仕方(一寸みれば、私達の日常の物の考え方に、一体どこでつながるのか見当がつかないような、こういう考え方)が、実は私達の具体的ないろいろな物の考え方に非常に大きな影響を及ぼしているということに主眼を置いて述べてみて、古典的な論理学と今の論理学とがどうちがうか、ということについて、皆様に印象なりとも植え付けることが出来ればと思っております。以下、ラッセル(B. Russell,1872- )或いはラッセルが代表するような、或いはラッセルに関係があるような現代の新しい哲学のスクール、というよりも、物の考え方等にこの論理学がどういう影響を与えたのか、またそれに時間が許しますれば、この論理学がどういう問題性を、或いは欠陥を含んでいるかということについて、もっと広い思想や物の考え方という面から問題にして取り扱ってみたいと思います。

[伝統的な形式論理学]

 一番最初に、ラッセルの論理学ということに関して考える場合、当然、論理学が決してラッセルによって発見されたわけでなく、(次ページに続く)