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ラ氏は愈明日退京-ルシア号でカナダ経由

* 出典:『中央新聞』1921年(大正10年)7月30日付
 日本国民の永遠の幸福を望む

 来朝中のートランド・ラッセル(ママ)氏は昨夜(松下注:昨夜とは7月28日)の慶應義塾に於ける講演会を最後の名残として、愈々(いよいよ)明三十日正午横濱出帆の加奈陀太平洋汽船会社のエンプレス、オブ、ルシア号(松下注:正確には、Empress of Asia 1913年建造 右写真出典 )で、加奈(ママ)経由帰国する事となった。(松下注:7月30日付の新聞なので、明日30日正午出帆というのはおかしい。実際、帰国の途についたのは、7月31日のこと)
 本日は市中を一周見学して
午後五時から帝国ホテルを引き揚げ横浜に赴き、グランド・ホテルに於ける友人一同の招待会に臨む予定である。(松下注:本日というのは、29日のこと。まぎらわしい書き方となっている。)同氏は通訳を介して「日本国民の永遠なる幸福を望むと共に、在日中熱誠なるご声援を受けたること感謝す
 日本は今や思想界の過渡期
にありて国家興亡の秋(とき)である。慎重なる国民の自覚を祈ると語った。