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バートランド・ラッセル(著)『結婚論』(社会思想社版)増刷版への訳者ノート

* 出典:バートランド・ラッセル(著),江上照彦(訳)『結婚論』(社会思想社,1955年12月刊。260pp.)
* 原著:Bertrand Russell: Marriage and Morals, 1929
* (故)江上照彦氏(1910~1990)略歴

邦訳書増刷版への訳者ノート(江上照彦)

江上訳『結婚論』の画像  (邦訳書)初版から20年間をへてまた増刷されるというのは、まことに珍らしい。息の長い出版界でも、きっと稀れなことに違いない。それだけに訳者の僕としては、久しぶりに懐しい友に出会った感じで、真実嬉しい。
 読みかえしてみると、手を入れたいような箇所が見あたらないでもないが、今回は誤植を直す程度にとどめた。しかし、同時に、ラッセルの思想の卓抜さを、改めて痛感した。結婚と道徳とは今なお難しい問題である。本書がなるたけ多くの人々に読まれて、何かの道しるべになろうことをねがってやまない。 1976年11月 江上照彦