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バートランド・ラッセル 権力 第3章 (松下 訳) - Power, 1938, by Bertrand Russell

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第3章 権力の形態 n.20 - 民主的手続きで独裁制を樹立


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 民主主義下の政治家として一番成功した者は、民主主義を廃止独裁者となることに成功した者である。これは,もちろん,ある特定の状況においてのみ可能なことである。(つまり)19世紀の英国では(試みたとしても)誰もこれを為しとげることはできなかったであろう。しかし、それが可能な時(状況)には,必要なのは民主主義下の政治家一般に必要とされる資質が高度に必要とされるだけである。いずれにせよ,興奮した(動揺の)時代おいてはそうである。レーニンムッソリーニヒットラーが台頭することのできたのも民主主義のおかげであった。(注:ナチスが民主主義的手続きにより多数派をしめ、そうして多数決によって一党独裁にいたった、との意味。)

Chapter III: The Forms of Power, n.20

The most successful democratic politicians are those who succeed in abolishing democracy and becoming dictators. This, of course, is only possible in certain circumstances ; no one could have achieved it in nineteenth-century England. But when it is possible, it requires only a high degree of the same qualities as are required by democratic politicians in general, at any rate in excited times. Lenin, Mussolini, and Hitler owed their rise to democracy.
(掲載日:2017.04.29/更新日: )