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バートランド・ラッセル 権力 第2章 (松下彰良 訳)- Power, 1938, by Bertrand Russell

Back(前ページ) Next(次ページ) 第2章_イントロ索引 Contents(総目次)

第2章 指導者と追従者 n.26 - 魔力としての科学技術

 昔は,人々は魔力(神通力)を獲得するために,悪魔(注:Devil と大文字)に自分を売った(自分の魂を悪魔に売り渡した)。今日では,こうした力(権力)を科学から得ており,(これを得た人は)(いろいろな意味で)悪魔になることを強いられている自分に気づいている。(注:devils と複数形になっていることに注意)。力(権力)を手なずけることができなければ,また,権力を -白人、黄色人種、黒人、ファシスト、共産主義者、民主主義者などの- 人類全体に奉仕させることができなければ,世界に希望はない。というのは(なぜなら),(現代の)科学は万人(全人類)が生きるか死ぬかしなければならぬということを不可避なものにしているからである。

Chapter II: Leaders and followers, n.26

In former days, men sold themselves to the Devil to acquire magical powers. Now-a-days (Nowadays) they acquire these powers from science, and find themselves compelled to become devils. There is no hope for the world unless power can be tamed, and brought into the service, not of this or that group of fanatical tyrants, but of the whole human race, white and yellow and black, fascist and communist and democrat; for science has made it inevitable that all must live or all must die.
(掲載日:2017.04.08/更新日: )