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ラッセル『結婚論』第13章「今日の家族」(松下彰良・訳)

Marriage and Morals, by Bertrand Russell
(London; Allen & Unwin, 1929)


総目次

第13章 今日の家族 イントロ累積版

  1. 読者は,第二章と第三章において,母系家族と家父長制家族について,また,これらの制度と原始的な性道徳観との関連について考察したことを,もう(by this time)忘れてしまっているかもしれない。
  2. 神学的な根拠から性的自由に反対する人々の間では,子供の利益に反するということで離婚に反対であるという議論をするのが通常である。
  3. 家族は,人間以前の(人類誕生以前からある)制度であり,その生物学的な論拠は,妊娠や授乳期の間の父親の助けが子どもたちの生き残りに役立つ,というものである。
  4. けれども,知能の発達とともに,人は遅かれ早かれ,善悪の知識の木の実をいくらか食べなければならない(注:eat of 文語的な言い方で「少し食べる」)。
  5. 家族(制度)を最高度までに成熟させたものは、初期の牧畜・農業社会の経済的状況であった。
  6. この段階までは,文明の進歩が家族の力を増やしてきた。
  7. けれども,仏教の場合(事例)は,宗教の純粋に経済的な原因を不当に強調してはいけないということを,我々に警告するであろう(警告するはずである)。
  8. かなり最近になってからの家族の衰退は,疑いもなく,主として産業革命によるものであるが,しかし,家族の衰退は,産業革命以前から始まっており,その始まりを引き起こしたのは個人主義理論であった。
  9. 代の家族の地位は,その最後の砦(とりで)までも国家の活動によって弱められてきた。
  10. 現代世界においては、大部分の父親は忙しすぎて、あまりわが子と顔を合わせることがない。
  11. 上流階級や専門職階級においては,子供が幼い間は保母にまかせておき,その後は寄宿学校(全寮制の学校)に入れるのが慣行になっている。
  12. これまで,我々は,現代家族の短所のみを考察してきた。今度は(今や),いかなる点で,いまだ家族の強み(長所)が残っているかについて考察しなければならない。
  13. この点に関して,父と子の間には奇妙な誤解が生じがちである。
  14. 幼い子供の立場から見れば,両親が重要なのは,自分の兄弟姉妹を除いて,他の誰にも与えられない愛情を両親から受けとるということである。
  15. 今日のような避妊法の時代(避妊法が広く知られた時代)にあって,家族の最も重要な点,あるいは子供を持つ習慣を維持することにあるのかもしれない。
第14章 個人心理の中の家族