バートランド・ラッセル『幸福論』(松下彰良・(訳) |
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| *Bertrand Russell(1872-1970)の The Autobiography of B. Russell の邦訳本は、古書店を探しても入手困難であり、入手できたとしても誤訳が多い。そのため、松下訳でホームページに邦訳を連載する意義は少なくないと考え、現在連載中である。(2006年8月追記:2006年8月8日に、各章末の書簡を除き、最後の邦訳文を掲載済)これに対し、The Conquest of Happiness(1930)の邦訳は、岩波書店などから出されており、新刊書店でも古書店でも入手しやすいので、ホームページに邦訳を連載する意義はそれほどないだろうと考えて、ホームページにアップロードすることは考えていなかった。しかし、ラッセルの『自叙伝』は、ラッセル個人に興味を持っている人でなければあまり読まないと思われることから、誰もが興味を持てるコンテンツとして、ラッセルの『幸福論(幸福の獲得))』の邦訳を、連載することにした。(2004.10.11)
(序文) この本は、学者や、実際的な問題などおしゃべりの話題にすぎないと見なしているような人びとを対象に書いたものではない。本書には、深遠な哲学も、深い学識も発見できないだろう。私はただ、多くの人の常識(であってほしいと私が願うもの)によって導かれた若干の意見をまとめようとしたにすぎない。読者に提供した処方簑について私が言えることは、ここに書かれたものは私自身の経験と観察によって確かめられたものであるということ、またこれらに従って行動したときにはいつも私自身の幸福を増してくれたものである、ということだけである。それゆえ、あえて希望したいことは、不幸を楽しむどころか(岩波文庫の安藤訳では、「幸福をエンジョイすることなく」となっているが、it は unhappiness をさしているので、安藤訳ではニュアンスが少し違ってきてしまう。)、不幸に苦しんでいる非常に多くの男女の中に、本書によって自分の置かれた状況を自ら診断し、また(提案・暗示された)不幸から逃れる方法を発見できる人が少しでもいたら、ということである。(現在)不幸な多くの人びとも、正しく方向づけられた努力によって幸福になることができるという信念のもと、私は本書を書いたしだいである。 |
* (カット写真: 京都鴨川・賀茂大橋からの眺め、2004.10.10 撮影) Preface |