バートランド・ラッセルのポータルサイト


(日本のラッセル研究者・関係者(故人)の発言)

谷川徹三


 ・・・。この立場は、政治の現実を超えることができる。あらゆるものを敵と味方に分けるのが、政治の本質に密着して抜きがたいものとなっているその一性格です。それによって味方のすることは何もかもこれをよしとし、敵のすることは何もかもこれを悪いとする。しかしこれは人間と社会との真実を覆いかくすことになる。アンドレ・ジードやバートランド・ラッセルのような人にはそれが我慢できないのです。彼ら(ジードやラッセル)がある時には右から非難され、ある時には左から攻撃されるのはそのゆえです。
 しかしこういう存在を人間と人間の社会とは常に必要としているのです。特に今日のような狂った政治の季節においては必要としているので、私はジードやラッセルの中に、現代の聖職者を見る思い抱く者であります。現代ではジードやラッセルのような大知識人が、聖職者たる役割を引き受けているのであります。
(→詳細は、『ラッセル協会会報』n.13のp.2参照)