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ラッセル生誕90年記念の催し(1962.05.19 開催)

 1962年5月19日(土)、ロンドンの Royal Festival Hall において、ラッセル90歳の誕生日を記念して、コンサートが開催された。概要は、以下の通り。(参考:ある誕生日)

●入 場 料: 10シリング(約500円) 座席指定なし(2,900の座席はほぼ満席)
●プログラム: 12シリング6ペンス
●開   演: 15:00〜
●次   第:
1)コンサートの部:
・演出:ロンドン交響楽団/指揮:コリン・デービス(34歳)/ピアノ独奏:リリー・クラウス
(曲目)ストラヴィンスキーの「誕生日のための小品」、「ハ調の交響曲」、「ピアノ協奏曲K466」、「交響曲第39番」
2)献呈の部:
・お祝いのメッセージ代読:
(メッセージを寄せた人々)ネール、フルシチョフ、ウ・タント、シュバイツアー、キング牧師、クワイン、ボーア、オッペンハイマー、ムーア、バーンシュタイン、・・・(約50ケ国から:プログラム16ページ分)
・お祝いのスピーチ:ラッセル家を代表して、ベットフォード公爵がお祝いのスピーチ
・記念品贈呈:(1)スイスの彫刻家ハンス・ウィリより、ラッセル像を彫り込んだ記念のブロンズ・メダル贈呈/(2)ラッセルの最新の「著書」:History of the World in Epitome(=90歳記念出版)
3)ラッセルの(感謝の)挨拶:
 友人の皆さん、私のただいまの心境をどのように申し上げたらよいか、本当に言葉では表現できないくらいに、感動しています。・・・。
 元来私は、たいへん単純な信念を持った人間なのです。そしてその信条とは、次のようなものです。私たちが生き、楽しみ、そして美しいものを味わうことの方が、泥にまみれて死ぬよりもよりよいというという、ただそれだけのことです。
 本日演奏されたような音楽をじっと聴いておりますと、こうした音楽を創り出し、そしてそれを聞きうるという状況は、大切に守っていかなければならず、つまらない争いのために台無しにしてしまってはならない、とつくづく思います。これはたいへん単純な信条だと、皆さんはお思いでしょうが、本当に大切な事柄は、実際、非常に単純なものです。・・・
 長い間、迫害や非難や罵りを受けてきた私が、本日はそれに代わって、このように皆さまから祝福されながら立っているとは、まったく夢のようです。このため、今私は非常につつましやかな気持ちになっております。そしてこのような機会を与えてくださった皆さんがたの思いにそって、私はこれから生きていかなければならない、否、そのように生きるに違いないと感じています。皆様がたに心の底からお礼を申し上げます。