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バートランド・ラッセル図書館(文書館)便り」

* 出典:『日本バートランド・ラッセル協会会報』第19号(1971年10月)pp.10-11.

ラッセル文書館報創刊号の表紙画像
 会報第一八号に実物の写真を掲載しましたが、今度第二号の送付を受けましたので、第一号と第二号とから、要所を転載します。(同資料を当協会会報と交換することになり、当会も綴込み保管しておきます。- (編集子))
 先ず、正式な名称を記します。ラッセル図書館というのは当方の便法上の仮名で、発行所は

  The Bertrand Russell Archives
 であります。
 従って、この「バートランド・ラッセル資料室(文書館)」発行故、次の名称となっています。
 russell : The journal of the Bertrand Russell Archives

 第一号は、1 : Spring 1971、第二号は、2 : Summer 1971、原文の目次を載せます。

第一号目次

IntroductionKenneth Blackwellp.2
Recent Acquisitionp.3
Photocopies for Researchp.5
Bertrand Russell and The TribunalJohn G. Slaterp.6
Recent Literaturep.8
Moore's Influence on RussellB. J. Lucasp.9
New Russell Bibliographyp.11

第二号目次

Editor's Notesp.2
With Russell at the ArchivesJack Pitt p.3
Recent Acquisitionsp.7
DonorsWilliam Readyp.8
Russell in 1916Jo Newberryp.9
Unpublisehed Russell Materialp.10
Recent Literaturep.11


 次に第一号と第二号とで、読者諸兄に共通する関心事項になるかと思われる点を拾ってみます。

[第一号より]

ラッセル協会会報_第19号
 一九七二年のラッセル百年祭に新しい著書目録が出版される。最初独立して編纂作業に当っていた二人の調査家がこの新著書目録で協同している。同書は五〇〇頁を超えることだろうし、カナダにおいては、マクマスター大学出版部が、英国においてはジョージ・アレン・アンド・アンウィン社が出版する。(米国においては未定)
 簡約版は
 The Philosophy of Bertrand Russell, edited by Prof. Paul A. Schilpp (Open Court)
 の新版に掲載される。
 資料の配列は、発表年代順で、再版・増刷・原稿の有無なども付記されている由。

 近刊予告
・Ayer, A. J. : Russell (Fontana 社 Modern Masters Series)
* Ayer は William James Lectures on Moorre and Russell を近く出版する予定
・Brooks, Rachel: The YMCA Government of China(ラッセルの序文あり)
・Clark, Ronald W.: Biography of Einstein (Russell と Einstein との未発表書簡を含む。)
・Egner, Robert E., ed. : Bertrand Russell's Best (Allen & Unwin 社)(近く出版される新版にはラッセル自身の新しい序文がついている。)
・Eisler, Lee: Morals without Mystery (ニューヨーク Philosophical Library 社出版、一九七一年)
* 本書は一九六九年ラッセルが「本書は余の信奉しかつ提唱する倫理観を手短かに表現している」と評したものである。
・Jager,Ronald. : The Development of Bertrand Russell's Philosophy(Allen & Unwin 社、一九七二年)
・Medlock, Julie. Bertrand Russell: So Fondly Remembered
 * 著者は、一九五〇年代のはじめ米国におけるラッセルの文筆活動の代理業を勤めた女性である。
・Pears. D. F., ed. : Collectlon of Essays on Russell (Macmillan 社)(一九七一年春出版予定)
・Rosenbaum, S. P.: English Literature and British Philosophy ・Ruja, Harry, ed.: Russell's Hearst Essays
* 一九三一年から一九三五年までの間、ハースト紙への寄稿論文約一〇〇篇以上をふくむ。)
・Schilpp, Paul A,, ed.: The Philosoplly of Bertrand Russell (Open Court 社)(一九七一年春出版予定)
・Von Wright. G. H., cd. Ludwlg Wittgenstein : Letters to C. K. Ogden with, Comments on the English Translation of the 'Tractatus Logico-Philosophicus.' (Oxford: Blackwell 社)
* 序文中に、Russell から Ogden への手紙が六・七篇収められている。一九七一年中に出版予定

[第二号より]
 マクマスター大学においてラッセル生誕百年祭の計画を立案中である。期日はまだ本ぎまりではないが、大体一九七二年一〇月一二日~一五日までの三日間、シンポジウムを開く予定である。
 Sir Alfred Ayer [註:岩波書店より、「言語・真理・論理」の訳本が出版されている。)と I. F. Stone の両氏が出席講演される筈。
 同大学はカナダ、Tronto 市より四〇哩、米国 Buffalo 市にかなり近い Hamilton 市にある。
 ラッセル図書館を訪れる方、調査される方は、Detailed Catalogue of Bertrand Russell(三四三頁の本)を事前に通読されると便利である由。同図書館の最良案内書である。


ラッセルの言葉366
 新刊書より
・Ayer, A. J. : Russell and Moore; the Analytical Heritage (London; Macmillan 社、Cambridge, Mass; Harvard 大学出版部、一九七一年、二六四頁、£3.90
・Brandt, Heinty: The Search for a Third Way(一九六七年出版された独文よりの英訳本、Garden City, N. Y.; Doubleday 社、一九七〇年出版、三五三頁、東独政府は Brandt に授与した Carl von Ossietzky Medal の佩用(はいよう)を彼が拒否したかどで彼を投獄した。拒否にはラッセルの考えが影響していた。彼はその後ラッセルを訪問した会見記を載せている。)
・Connell, Charles: World-Famous Rebels (London; Odhams 社、一九七〇年出版、二五六頁 £1,25 この中一章を Russell に与えている。
・Gross, Barry R. : Analytic Philosophy : An Historical Introduction (New York, Pegasus ,一九七〇年、二四五頁、六.九五米弗、第三・四両章で Meaning and Reference 及び Sense Data に関してラッセルを扱っている。
・Hampshire, Stuart,: Modern Writers and Other Essays (London, Chatts and Windus 社、一九六九年、二〇五頁、£1,75 第一三・第一四の両章はラッセル自叙伝第一巻第二巻に関する長い論評で、The New York Review of Books よりの収録である。)
・Harrod, Sir Roy.: Sociology. Morals and Myetery (ロンドン、マクミラン社、一九七一年、一二一頁、£2.50 J. Nicod についてのラッセルとの論議を引用しているもの) ・Haskins, James: Resistance ; Profiles in Nonviolence(ニューヨーク Garden City の Doubleday 社、一九七〇年、一六五頁、三・九五米弗、ラッセルに関する章をふくむ)
・Seligman, Ben B., ed.: Molders of Modern Thought(Tronto, Burns and MacEchern 社、Chicago, Quadrangle 社、出版。一九七〇年、三七五頁、二・九五米弗、ラッセル九〇才生誕日について、'伯爵、哲学者、論理学者、反逆者'なる題名の下に Charles Hussey の行った New York Times Magazine 所載のラッセル論を収めている。)